StarWalker’s diary

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『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の謎解き~カイロ・レンの台詞から読み解くレイとカイロ・レンの繋がり~

 今年12月に公開される『スター・ウォーズ』映画最新作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』。さらに11月11日、12日には『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』が再上映されることが発表されました!

 前作『フォースの覚醒』に残された謎を解く「スター・ウォーズの謎解き」シリーズ。前回、フォース・ビジョンに描かれた場面から、レイとカイロ・レンとのつながりの謎について考察してみました。今回は、『フォースの覚醒』の他の重要なシーンの解釈から、カイロ・レンとレイの繋がりの謎に迫ってみようと思います。

 ≪以下、ネタバレを含みます≫

 

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カイロ・レンとレイの繋がり

「it's Ben・・・」の謎

 カイロ・レンとレイのつながりは、フォース・ビジョンの中だけで示されているのではない。実は、惑星タコダナでのマズ・カナタとレイの会話シーンにも、カイロ・レンとレイの不思議なつながりについての描写があるのだ。

 レイとマズの会話をもう一度、思い出してみたい。

マズ・カナタ:お前の目の中に見える。お前が待っているもの-待っている人は・・・わかっているだろう、もう戻ってこない。だが、戻ってこられる人もいる。お前の助けがあれば

レイ:ルーク・・・

    マズの台詞から「お前の待っている人は、もう戻ってこない」ことが分かる。しかし、戻ってこれる人もいる。レイは、それがルークだと言った。

 だが、このシーンはもう一つの見方ができるのである。

 

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  マズがレイに「セイバーを取りなさい」というあのシーンを見てみる。 

 「セイバーを取りなさい」と言われたレイが、それを拒絶するように立ち上がる。このマズの台詞の後、レイがまさしく立ち上がる直前に、ここで、小さい声だがはっきりと「it's Ben・・・」という声が聞こえるのだ。レイは、この声におびえるように立ち上がって、「二度とあれには触らない!」といってマズのところを去るのだ。 

 この声はおそらく、フォース・ビジョンで聞いた声と同じく、フォースを通じてレイに語り掛けた声だろう。細かくて気が付かないが、レイが「二度とあれには触らない!」という直前、立ち上がった時のレイは、明らかに画面右の方、すなわちライトセーバーのあった部屋の方を見ているのである。

 だから、このシーンの解釈は、マズが「セイバーを取りなさい」といった直後に、レイは「ベンだ・・」という声を聞いた。その声にびっくりして立ち上がり、その声の方向を見た。そしてマズに向かって「二度とあれには触らない!巻き込まないで」と言い放つというのが正しい解釈なのである。

  

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 「it's Ben・・・」という声を聞いた直後に立ち上がるレイ  

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レイが見ているのは画面右、すなわちライトセーバーがあった部屋の中の方向

 

 では、この「it's Ben・・・(それはベンだ・・・)」とは何を意味するのだろうか?実は、これは上述したマズの問いかけ「だが、戻ってこられる人もいる。お前の助けがあれば」に対する答えではないのか?

 すなわち、「お前(レイ)の助けがあれば、戻ってこれる人もいる・・」「それはベンだ・・」という問いと答えが成立しているのだ!

 私は、この「お前(レイ)の助けがあれば・・・」という部分がとても気になっていた。確かに答えがルークでも成立するのだが、じつはカイロ・レンが答えでも成立するのである。すなわち、それが意味するところは、カイロ・レンの暗黒面から光明面への転向が、レイの力の協力によりなされるということの予知ではないのか?

 そう考えると、フォース・ビジョンの中でレイが聞いた声がカイロ・レンであり、彼が「戻ってくる」と語ったこととも整合するのである。 

カイロ・レンの「お前か!」の意味

  レイはルークのライトセーバーを手にしてカイロ・レンと対峙する。雪の地面に突き刺さったライトセーバーをフォースで手によせようとするカイロ・レンですが・・彼の横を飛んでセーバーはレイの手に。この映画の中で、もっとも印象的で素晴らしいシーンだ。

 実は、レイがルークのライトセーバーを手にした瞬間の小説版のこの時の描写は少し細かい。この時、カイロ・レンはレイを見て「お前か」と言うのだ。カイロ・レンは明らかにレイの存在を知っているのだ。 

「お前か」レンがささやいた。その言葉に、レイは落ち着かない気分になった。これがはじめてではない。あの男は、わたし自身よりもわたしのことをよく知っているような気がする。

  

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    カイロ・レンはレイを知っている。これは間違いない事実だ。では、それは何故なのか?

 実は、『フォースの覚醒』の中で、カイロ・レンはレイがただのゴミ漁りでないことにうすうす気が付いている。小説版では、惑星タコダナでレイと対面したカイロ・レンの描写があるが、この時点でカイロ・レンはレイがフォースに強いことを感じとっている。

 だが、重要なポイントは、カイロ・レンがレイに対して「お前か」といったのは、あくまで、レイとカイロ・レンがスターキラー基地で出会い、レイがルークのライトセーバーを手に吸い寄せた姿を見た時なのだ。すなわち、この瞬間にカイロ・レンは、レイが「自分の知っている誰か」と同一人物であることを悟ったのだ。

 それまでは、カイロ・レンはレイがただのゴミ漁りでないことに気が付いていながらもその正体まで見抜けていない

 カイロ・レンがレイとスターキラー基地の尋問室で対決し、地図の場所を聞き出すことに失敗した時も、このジャクー出身のゴミ漁りの娘はフォースがとてつもなく強い、という事実に驚愕してはいるが、その理由まで理解はしておらず、ただ動揺しているだけで、この時点でまだその正体はわかっていないのだ。 

カイロ・レンが知るレイとライトセーバーの繋がり

 このカイロ・レンが「お前か!」と叫んだタイミング。これは、カイロ・レンがルークのライトセーバーを引き寄せようとして失敗し、レイがルークのライトセーバーを握ったときだ。そして、この時、レイが「あの時のあの女か!」ということに気が付いたのだ。

 すなわち、レイとルークのライトセーバーに関する何らかのつながり、あるいはそれに関連する隠された過去があるのではないだろうか?そして、カイロ・レンはそれを知っているのだ。だから、レイがルークのライトセーバーを握ったときにレイの正体を見破り、確信したのである。

 前回の記事で、私はカイロ・レンによるレイ殺害未遂事件の疑惑について書いた。

 レイとルークのライトセーバーに関する何らかのつながり。それは、この娘そがかつて自分が殺害しようとしたルークの娘であるという事実ではないか。

 私は、カイロ・レンはルークに娘がいたことを何かしらの形で知っており、またレイを殺害しようとした疑いがあると考えている。そして、スターキラー基地でレイがライトセーバーを握ったときに、思い出したのだ。この娘があの時のルークの娘であったのだ!と。

 カイロ・レンとレイ、そしてルークのライトセーバーには一つの出来事を通してつながりがある。このカイロ・レンの「お前か!」の台詞は、この何かしらの出来事の存在を裏付けるものだ。そして、それは必ずルークのライトセーバーが関連しているのである。

 何度も言うように、この場面より前では、カイロ・レンはレイのことを、あくまでフォースの強いゴミ漁りの娘という認識しかしていないのだ。すなわち、レイの正体までは気づいていていない。しかし、レイがルークのライトセーバーを握ったときに、カイロ・レンがこの娘の正体をはっきり知ったのだ。

「どんな女だ?」

 ジャクーで、スカイウォーカーの地図を持ったBB-8を取り逃がしてしまったことを報告されるカイロ・レン。フィン以外に逃亡を助けた地元民の若い女がいると報告を受けて、カイロ・レンは怒りのフォースでもって、報告してきた中尉を引き寄せ首を絞める。

 この時、カイロ・レンは、報告にある地元民で若い女という言葉に「どんな女だ?」と厳しく恐ろしい声で詰問する

 この「どんな女だ?」という言葉の意味も、これまで述べてきたレイ殺害未遂事件が関係しているのではないか?例えばだが、カイロ・レンにとってこの出来事が一つのトラウマになっていると考えられないだろうか?

 レイ殺害未遂事件が本当なら、カイロ・レンには、昔殺そうとしたが、殺せなかった女がいた、という過去があるということになる。じつは、カイロ・レンにとってはこれは自分の弱さを知ってしまった衝撃的な出来事なのではないか?

 カイロ・レンの思考回路をなぞってみれば、これは暗黒面に落ちようとしているカイロ・レンにとって「光の誘惑」であり、その誘惑に屈した自分は弱い存在だ、と感じるはずだからである。

 そうなると、この場面で「地元民の若い女」という言葉に過剰に反応したのは、そういう過去があり、カイロ・レンの中では思い出したくない言葉だったからではないのか?

 カイロ・レンがジャクーにレイを置き去りにしたのであれば、ルークのライトセーバーを握るまでレイの正体に気が付かないのはおかしい。しかし、カイロ・レンは明らかに「若い女」という言葉に動揺しているのだ。

 このような過去があったからこそ、カイロ・レンは何としてもハン・ソロを殺さなければならなかったのだ。彼にとって今度こそ光の誘惑に屈してはならない試練だったからである。 

まとめ

  カイロ・レンとレイの不思議なつながりがあることは間違いない。そして、今のところ彼らのこの繋がりは過去のものであるが、このカイロ・レンとレイの繋がりは、未来にも存在するものであるように思う。

 すでに『最後のジェダイ』にむけて様々な情報などが出ているが、レイは新三部作における光明面の体現者であり、カイロ・レンは暗黒面を象徴するものであり、この二人こそが物語の主役だ。

 『最後のジェダイ』では、レイとカイロ・レンは再び戦うと思われるが、思い出して欲しいのは『帝国の逆襲』での衝撃の告白だ。新三部作におけるレイは、ルークであり、カイロ・レンはダース・ヴェイダーである。『最後のジェダイ』が『帝国の逆襲』をなぞるとすると、何かしらの衝撃の事実が、カイロ・レンからレイに対して、明かされるのではないか?

 ここまで来ると、色々考えるよりも、静かに『最後のジェダイ』の公開を待てばよいのだが(笑)、私としては、このブログでは『最後のジェダイ』の新情報は新情報で考察しながら、『フォースの覚醒』は『フォースの覚醒』で追える謎は追えるまで考えて記事を更新していこうと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。

 

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