StarWalker’s diary

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『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の謎解き~ライアン・ジョンソン監督の過去作品にあったレイの過去の秘密~

  今年12月に公開される『スター・ウォーズ』映画最新作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』。12月に向けてさらに盛り上がりを増すスター・ウォーズです。

 前作『フォースの覚醒』に残された謎を解く「スター・ウォーズの謎解き」シリーズ。第4回から前回第7回まで、レイの両親に関する謎と、カイロ・レンとのあるつながりについて書いた。『最後のジェダイ』で明かされると思われるレイの過去の一部は、実はわずかながらライアン・ジョンソン監督の過去の有名作品にヒントが隠されているのではと思う。

 ≪以下、ネタバレを含みます≫

 

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レイの存在はどこまで知られていたのか?

 私はレイはルークの娘だと思っているが、レイの存在が周囲の人間にどれほど知られていたかは謎だ。

 私は、ハンはレイのことを知らないと思っている。これは『フォースの覚醒』を見た感想だ。『フォースの覚醒』で示したハンのレイに対する態度の理由については、以前の記事(『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』をもう一度楽しむ:ハンは何故レイを雇おうとしたのか? - StarWalker’s diary)で書いた通りだ。

     他方、レイアは少なくともレイと面識はない。信じるかは別として、J.J.エイブラムスはレイアとレイは一度も過去に会っていないと言っている。

 しかし、これは必ずしもハンやレイアがルークに娘がいる事実を知らないとは限らない。ルークに娘がいることは知っていても、『フォースの覚醒』の時点で本人に会ったことはない、かつ目の前のレイがルークの娘であることに気づいていないことはあり得るからだ。

    一方、ベン・ソロはレイを知っている。これは以前の記事で取り上げた通り、カイロ・レンとレイには謎の繋がりがあるからだ。私はベン・ソロは幼い頃のレイを知っていると思うし、彼女の正体(ルークの娘)であることも知っていた可能性があると思う。そう考えたら、ハンもレイアも少なくともルークに娘がいることは知っていてもおかしくはないだろう。

 そして、ベン・ソロはカイロ・レンとなって、『フォースの覚醒』の最後の時点で、再び大きくなったレイとライトセーバーをもって対峙した時、レイがまさしく幼い頃彼が知っていたルークの娘その人であると知った可能性もあると考えている。

 そもそも、レイは5歳の時点でジャクーに連れて行かれており、両親がレイの出生を秘密にしていれば、ハンやレイアが後にルークに娘がいたと知っても本人に会ったことはない、ということも考えられる。だが、ベン・ソロはルークの元で修行をしており、その際に幼いレイと知り合っている可能性がある。

父親ルークの悩み?

 さて、娘を持つ父親としてのルークの気持ちとレイとの関係を考えてみよう。  

 ルークは甥であるベン・ソロを訓練をしたが、結果的にカイロ・レンは暗黒面に転向していった。そんななか、ルークは彼女をジェダイにしようと思うかどうかを考えて欲しい。これは娘さんを持つ普通のお父さんの方が分かるのかもしれない。  

 私は、ルークはレイをジェダイにしたくなかったのではないか?と思うのだ。ルークは、生まれながらにしてジェダイになるべく運命だったと言える。しかし、そんなルークの人生はとんでもない悲劇でしかないのだ。

 彼は職業ジェダイである。そんな彼に娘が生まれた。ルークは、ジェダイという銀河に一人しかいない聖職者で厳しい修行のもとに毎日を過ごし、暗黒面の誘惑を排除しながら光明面に生きるということを仕事にしているのである。

 ではそんな父親に、娘が進路相談に来たとする。父親ルークは彼女のことを考えたときに、娘に「お前も俺とおなじようにジェダイになりなさい」と言うだろうか?答えは否だと思うのだ。

 私がルークと同じ立場だったら、娘をジェダイは絶対にしたくない。

 以前も書いたが、ルークは基本的に、オビワンとかヨーダのことを聞きながらも、自分が正しいと思ったことは忠告に逆らってやる男である。オビワンから、フォースを学んでオルデランへ来いと言われても、最初は拒み、ヨーダの制止には構わずダゴバからハンとレイアを救出しに行ったり、ヴェイダーを倒せと言われても、ルーク自身は父を皇帝から取り戻すことを考えていた。

 例えばだが、オビワンやヨーダが「この娘はフォースが強いのう・・どうじゃ、ジェダイにする気はないかのう?ん?」と言ってきても、「俺の娘は俺が育てますよ。ジェダイとかそういうの、娘にはいいんで」といったのではないか?

 たとえ、娘が「ジェダイになりたい」と言っても散々な経験をしてきたルークならこう言うだろう。

 「ジェダイなんて止めておけ!いいことなんかないぞ。暗黒卿と戦わんとならんし、怒りとか恐怖は暗黒面につながるからダメなんだぞ。俺なんか、育ての親も、慕っていた師匠も、お父さんに殺されるし、俺も親父から腕切られるし、何度も殺されそうになったし、好きになった女はキスまで行ったのに、実は妹でした!残念!とか言われて、俺がダゴバで緑のタヌキのような奴と修行している間に、親友とできちゃうし。そんでそのまま結婚しちまうし。そもそもジェダイ、恋愛禁止だし。口うるさいヨーダとかオビワンも、死んでまで霊体になって俺につべこべああしろこうしろ言ってくるんだぜ。霊体化とかいいから、さっさと成仏して欲しいわ。しかも、ジェダイは聖職者だから給与は無いし。後を継ぐもんもいないから後継者問題も抱えて少子高齢化するし・・てか俺しかいないし・・いつも同じ古いローブでお洒落とかできないぞ。そもそも、お前は女の子なんだし、お洒落したり好きな男と恋愛とか結婚とかしたいだろう。その方が女性としてずっと幸せになれるぞ」

 と、多少適当なフィクションは入っている(笑)が、ルークの本音としてはこれに似た心境なのではないか?ルークのような散々な人生を歩んできた男にとっては、実の娘にはジェダイのことにはかかわって欲しくないと思う方が自然な親心な気がするのである。

ジェダイと家族の狭間で

 その証拠と言えるかはわからないが、ルークはベン・ソロに対しても、最初から訓練するつもりはなかったと思われるのだ。

    『フォースの覚醒』の中のハンとレイアの会話からわかるのは、ルークがベン・ソロを訓練したのは、ベンが知らず知らずのうちにスノークから暗黒面への誘惑を受けており、それを心配したレイアがルークに彼を託したからである。

 とするとである。このことから推測するならば、ルーク自身がベン・ソロに素質があるからといって、ジェダイとして育てようと自らアプローチしたわけではないように思えるのだ。そこにつけいったのは、むしろスノークである。

    話はそれるが、実は結果的にそれがベン・ソロを余計にスノークの手にやってしまうことになったとも考えられる。ベン・ソロの立場になったら、これはよくわかる気がする。

   ベン・ソロからしたら、自分はダース・ヴェイダーを祖父に、ルーク・スカイウォーカーを伯父に持つスカイウォーカーというフォースの血を引いている自負がある。自分は優れたジェダイになる素質があるが、その反面、彼の親は皆自分がジェダイになることに反対したらどうだろう?もちろん親は親で本人のためを思って反対なのだが、ベン・ソロは自身の才能に自惚れている。

 そんな環境だったら間違いなくベンはグレるのではないか?そこにスノークがやって来て、「あんたの母親や伯父は間違ってる。お前はヴェイダーになれるぞ」と言われたら、そんな人について行くと思ってしまうだろう。その意味では、まさしくベン・ソロは皇帝に誘惑されたアナキンと同じであり、ヴェイダーなのであるが・・・。

 いずれにしても、ルークは自分の家系がフォースの強いことを知っているが、自分の家族を決してジェダイにしようとは思わなかったのではないか?ジェダイとしての苦労を知っているルークであれば、なおさらである。であるから、同じ理由で自分の娘であればなおさら、彼女をジェダイにしようとは思わなかったと思うのである。

     ルークはレイをジェダイにしたくなく、できれば自分から離れたところでレイを普通の女の子として育てたかったのではないだろうか?だから母親にレイのことは託した、とは考えられないだろうか。レイの母親は、シングルマザー同然に、母親一人でレイを育てようと、ルークと決別したのではないだろうか。

 

f:id:StarWalker:20171012002816p:plain 『最後のジェダイ』でルークの元へ赴くレイ。その先の運命とは?


LOOPER/ルーパー』にあったヒント

    『LOOPER/ルーパー』はライアン・ジョンソン監督の2012年の監督作品である。未鑑賞の方のために、あらずじのネタバレは避けようと思う。しかし、この映画に登場するある人物に関する設定が興味深く、私はライアン・ジョンソン監督が『最後のジェダイ』を作る際に、影響している可能性がありえるのでは?と思っている。
 『LOOPER/ルーパー』は、2044年の近未来が舞台なのだが、タイムマシンが開発されたさらに未来2074年から犯罪組織が、殺害したい人間を2044年に送って、そこで殺人をしている世界が描かれる。2074年は殺人ができない世界になっており、犯罪組織はそのような方法でターゲットを殺害しているのだ。2044年の世界で殺人を請け負う人間がルーパーだ。
 ネタバレを避けるため詳細は伏せるが、映画で描かれる世界は、少数だが超能力者が存在する世界になっており、サイコキネシスを使える者が存在している。そして、映画後半に、シドという強力なサイコキネシスの能力者が登場し、物語の重要な鍵を握っているのだが、このシドの設定が、もしかしたら『最後のジェダイ』に引き継がれているのではないか?

 引き継がれているという言い方がおかしいならば、少なからず参考になっているのではないか?と考えられないだろうか。

母親に隠されたレイ

    シドは情緒不安定のため癇癪により突然強力なサイコキネシスを発動させていた。シドを面倒みている母親・サラ自身も身の危険を感じながらシドを育てている。実は、以前は姉がシドを育てていたが、姉が事故で亡くなったため、サラはシドを1人で育てることにして誰もいない農場にやってきていたのだ。 

 以前の記事の中で、レイはレイの母親にジャクーに連れてこられたのでは?と考えていることを書いた。『LOOPER/ルーパー』で描かれた強力な特別な力を持つ子供を育てるために、母親が一人辺境にやってきたという設定は、レイにも共通するのではないだろうか。

    レイがルークの娘であれば、彼女のフォースの力の強さは比類ないものになる。ルークはもちろん、それは自明の理であり、レイの母親でもそのことはわかるはずだ。レイがそのままルークのもとにいれば、いずれジェダイになるか、または銀河内乱に巻きこまれ、カイロ・レンのごとくスノークの誘惑をうけるに違いないのだ。

    その場合、レイの親はどう思うだろうか。

    ルークか父親だったとして、彼がレイをジェダイにしたくないと思うのは十分ありえることは書いた。レイの母親もそれは同じだろう。

    ルークはジェダイ復興とファースト・オーダーとの戦いと無縁ではいられない。だから、レイをジェダイと関係なく育てるならルークのもとに一緒にいるのは無理だし、危険だ。ならば、レイの母親は、一人でレイを引き取るしかないだろう。

    以前の記事で書いたように、私はレイが幼い頃に、ある事件があって、レイの母親はレイを連れてルークを去ったのではと考えている。レイはもしかしたら幼いころから潜在的な強いフォースの力の片鱗を見せていたかもしれない。

    それを危惧したルークとレイの母親は、 まさしく『LOOPER/ルーパー』のシドと彼の母親のように、レイを全く銀河内乱やジェダイと無縁の土地で育てようとしたのではないか。   

まとめ

    ルーク自身もジェダイを終わらせたいと思っている。これはこれで最後のジェダイとしての彼なりの別の理由があると思っているが、レイがルークの娘であれば、一人の父親としてレイを訓練することをどう思うだろうか。

 若い頃からジェダイの騎士として人生を歩んできたルークは、立派なジェダイだろうが、それだけに父親的な役割は彼には難しいし、そのことは彼も知っていよう。

    そんな彼のもとに、長い昔に決別した娘がやってきたら、ルーク彼女にどのように接するのだろうか?しかも、娘には自分やジェダイに関わって欲しくないと考えていたのに、運命のようにレイはルークのもとにやって来たとなったら。

    『最後のジェダイ』は、このような父と娘の確執や過去を乗り越えたルークとレイの二人が、再び銀河のために立ち上がっていく過程を描くものになるのではないか? 

 レイは自分の中に覚醒したフォースの使い方を教えて欲しい、助けが欲しいとルークに懇願するが、ルークは拒む。そこにはジェダイ・マスターとしてではなく、娘の将来を思う父親のルークの姿があったとしたら。
 すでに、『最後のジェダイ』にむけて色々と出回っている情報の一つに、ルークはレイを訓練することに異を唱えるのでは?ということがあるが、その理由が上記のようなルークの親心だとすれば、そこには『北の国から』の五郎と蛍のような(笑)父と娘のドラマが展開されることになるかもしれません。

 ちなみに、これまでの考察はあくまでレイがルークの娘である前提に基づくものなので『最後のジェダイ』で明らかになる事実によっては全くこれらの話は覆ることになりますが、その際は何卒ご了承ください。なお、その場合はその場合で、新たな情報に基づきこのブログは頑張ってめげずに考察と記事の投稿を続けていきますので、皆様何卒どうかご愛読の程、引き続きよろしくお願いします。

 『最後のジェダイ』はいよいよあと1か月あまりで公開。逆に言えばこうやって色々妄想できるのも今のうちです・・というわけで、レイとルーク、そして『最後のジェダイ』を待つ皆さまにフォースのご加護がありますように・・・。

 

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