StarWalker’s diary

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『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の謎解き ~なぜアクティブ・トラッキングは可能なのか?~【ネタバレ・考察】

 スター・ウォーズ映画最新作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は昨年12/15に公開、絶賛公開中です。本ブログでは真面目な考察から妄想までいろいろなスター・ウォーズ関連の投稿していきたいと思います。

    今回は、映画『最後のジェダイ』に登場した新技術である、アクティブ・トラッキング、超空間自動追尾というものについて考えてみました。

《!以後、『最後のジェダイ』のネタバレ含む。未鑑賞の方は読まないでくださいね》

 

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はじめに

    最後のジェダイで登場したアクティブ・ハイパースペース・トラッキング。劇中、レジスタンスを追いつめるこの新技術については必要最低限の説明以外にはあまり語られなかったが、今回はこの装置について考えてみる。

    アクティブ・トラッキングについて僅かに語られた事実をまずは整理しよう。僅かながら『最後のジェダイ』の映画の中で語られたヒントをあげると大体以下のようだろうか。

  • 追跡を担うのが先頭の1機だけであること
  • 超空間を抜けたら30秒後に同じ宙域においつかれる
  • ブレーカーを落とせば6分間は無効となる
  • 追跡を担う船が破壊されても別の船が変わる
  • 超空間追跡は新技術だが、原理は既存の追跡技術と同じ

  これらのことをヒントに、そもそもアクティブ・トラッキングとはどんな技術なのかを考えてみたい。 

様々な疑問

    正直言えば、ここまで書いて早速色々と疑問が生じてしまう。私が劇中の描写で疑問に感じたことを列挙してみたい。    

  • 追跡を担うのは先頭の1隻というのは良いとしたいが、ただし、この装置が実装されているのは、スノーク最高指導者のメガ・スター・デストロイヤー〈スプリマシー〉であった。不思議なのは、メガ・スター・デストロイヤーは最初のレジスタンスの惑星ディカーからの撤退作戦時には、その宙域にいなかった。なら、超空間に消えたレジスタンス艦隊をそもそもどうやって追跡したのだろう?ポーも追跡してきたメガスターデストロイヤーをみて驚いている。
  • 先頭の1隻といっても艦列によって先頭の船は変わる。この意味は、すなわちどれか1隻が追尾を担えば、その追尾に従う形で何隻かの艦艇が移動してくるという意味なのか?
  • 追跡を担う船が破壊されたら、別の船がとって変わるだけだとフィンは言うが、これも良く分からない。別の船が変われるなら、トラッキング装置は代わりとなる船にもそもそも実装されていないとおかしいし、本当に先頭の1隻だけがトラッキング可能なら、ポーが言ったように爆破作戦でも良いわけで、これを否定する理由にならないではないか。 
  • そもそもの話、フィンはアクティブトラッキング装置の場所を知ってるなら、ファースト・オーダーがこの技術を持ってることも知ってるはずで、なぜ、今更驚くのだ?
  • そんな新技術を持っていながら、スノーク自身は知らないとは?ファースト・オーダーは、帝国が開発していたアクティブトラッキングを実用化したということらしいが、最高指導者スノークの知らない間に勝手にハックスはそんな技術を実用化して、しかもスノークののる宇宙船に実装していたわけだ。そんな最高機密レベルの技術導入の検討にあたってスノークは全く関与していなかったのか!スノークは書類に目を通さずハンコを押したか、会議中に居眠りしていたか?すべてハックスがスノークに黙って仕組んだか?のどれかだろう
  • そんな技術あるのなら、レジスタンスの基地だってとうに吹き飛ばしていて良いだろし、ファルコン号でレイがルークの元へ行くのを追跡してスカイウォーカーを抹殺できたはずだろう。カイロ・レンと競り合っていたハックスが、カイロがもっとも知りたいルークの居場所を先んじて掴める機会なのだが、ハックスは何をしていたのか?

    まあ、いい。最後のジェダイの前作との矛盾は沢山ありすぎるので挙げたらきりがない。悲しいがここは目を瞑り整合する説明を見つけるしかないのだが、やはりライアン・ジョンソン監督にはもう少し考えてくれて欲しかったというのが正直な感想だ。

これまでの前提

超空間は追跡不可能

    さて、アクティブ・トラッキングについて考える前に、復習しておくと、『スター・ウォーズ』においては、光速航行中、超空間は追尾不可能という前提があった。

 だから、思い出してほしいが、旧三部作でも、ハン・ソロは毎回毎回際どいところで、ファルコン号で帝国から逃げられたわけで、そのでなかったらとうに帝国に捕まるか撃墜されて死亡しているだろう。

 そして、まさしく超空間へジャンプできるかできないかは、彼らの生死の分かれ目とばかりに、物語に緊張を与えていた重要なファクターだった。この前提が覆っていたら『帝国の逆襲』は映画として成立しなくなっていただろう。

  

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  『帝国の逆襲』では光速で逃げ切れるかが物語の中心になっていたが、超空間を抜けて追跡は不可能である前提にたっていた

 

誘導電波による追跡技術 

    だが、超空間に逃亡した宇宙船を全く追尾できないわけではなく、アクティブでないトラッキング、パッシブ型のトラッキングというべきなのか?は、以前、おそらく旧共和国時代から存在しているようだ。

    これは、追尾対象のビーコンから出る電波を探知して位置を特定するもので、『スター・ウォーズ』の中ではよく出てくる話だった。『スター・ウォーズ』世界の広大な宇宙空間では、我々の光速の常識は通じず、このパッシブ型のトラッキングは比較的容易に出来てしまうらしい。

    例えば、『新たなる希望』では、帝国軍が デス・スターを脱出したミレニアム・ファルコン号に誘導電波発信機を取り付けて、見事にヤヴィン衛星の反乱軍基地を特定していた。旧共和国時代の例なら、オビ・ワンが惑星カミーノから逃げたジャンゴ・フェットを追ってジオノーシスに来る。 

    そして、『最後のジェダイ』でも描かれていたが、携帯用ビーコンもある。また、遠距離でもトラッキング信号さえ検知できたら発信元の場所が探知できるらしく、オビ・ワンはジオノーシスで、アナキンがタトゥイーンにいることを比較的簡単に突き止めていた。

 このように、超空間の移動中はトラッキングができないが、追跡対象が誘導電波を発生していれば、それを別の宙域でも十分に場所の特定ができるものだということだ。

 

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『帝国の逆襲』にあったヒント?

アクティブ・トラッキングの先がけか?

 例えば、現在のGPS信号によるトラッキングでは、対象物が位置情報を発信しているため、これを追尾できるわけだ。しかし、『スター・ウォーズ』においては、そのような位置情報を発信している様子はない。

 だから、わざわざ追跡に誘導電波発信機が必要なのだろう。だが、今回の映画では、ファースト・オーダーは、レジスタンス艦艇に電波発信機をつけていたわけではない。

 では、アクティブ・トラッキングでは何を手掛かりに追跡しているのだろうか?実は、アクティブ・トラッキングのヒントは、我らが暗黒卿の大先輩であるベイダー卿が教えてくれていた

  『帝国の逆襲』で、帝国軍は執拗にミレニアム・ファルコン号を追尾するが、映画の中盤で、ハイパードライブが使えなくなったファルコン号は、スター・デストロイヤーの艦橋の裏に張り付いて逃げ切るという奇想天外な奇策を用いる。

 追跡をあきらめないヴェイダー卿は、ニーダ艦長の罪を咎めた後、ピエット提督に追跡と探索を命じるのだが、この時、ヴェイダーは、「超空間へ離脱する前の航跡から可能性のある行き先を探れ」とピエットに命じている。   

 これは結構なヒントなのではないか?

 つまり、ひょっとすると超空間に飛び込む前の軌道から行き先をある程度特定する方法があるということなのではないか?

 そして、もしかすると、アクティブ・トラッキング技術というのは、この応用ではないのだろうか? すなわち、おそらく何かしら超空間ジャンプする際の航跡から超空間航行先が特定できるのではないか? 

 2015年に発売された小説『ターキン』(原題:Tarkin、ジェームズ・ルシーノ著)によれば、超空間ジャンプの際には、クロノー放射と呼ばれる放射線が放出されることが書かれており、特殊なセンサーで感知することで、宇宙船が超空間へジャンプしたかの有無が分かるとなっている。

 ここからは私の推論に入る。

 クロノー放射はあくまで超空間ジャンプの有無のみしかわからないようだが、超空間の追跡の際に、実空間上に生じた何らかの痕跡を解析することで行先の特定がある程度可能な技術があってもよさそうである。

 だが、『帝国の逆襲』の時代はまだ『最後のジェダイ』よりも30年以上前のことだ。帝国時代には、これは膨大なセンサデータ量を扱う、大変なコンピューティングパワーを使う作業であったのではないだろうか?

 そして、帝国時代にも、この手法は知られていたが、かなり難しいものであり、頻繁に使うものではなかったが、『帝国の逆襲』において、ミレニアム・ファルコン号を何としても見つけたいヴェイダー卿は、この手法を使ってまでも行先を特定しろ!と命じたのではあるまいか?

 

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  『帝国の逆襲』でヴェイダーは、超空間ジャンプ前の航跡から可能性のある行先を探せと命じてファルコン号の追跡を指示していた

 

そして、30年後

 『最後のジェダイ』で、メガ・スター・デストロイヤーは、惑星ディカーにおいてレジスタンス艦のうちの一隻、おそらく司令船ラダスのような大型艦に対して、超空間離脱前の航跡を分析したのではないだろうか?実際には、アクティブ・トラッキング装置がこの分析を担うのだろう。

 これは、いわゆる今流行りのビッグデータ解析のような技術なのではないか?時空間のゆがみの膨大な時系列データから、特殊なアルゴリズムを用いて、ゆがみの変化を予測するに違いない。こうして、航宙図上の座標と照らし合わせて、超空間ジャンプした船の行先を、膨大な数の行先候補から特定できるのではないだろうか?

 そして、これは帝国時代に、ヴェイダーがやっていた方法と原理は同じだが、時代が下ってファースト・オーダーの時代には、この時空間のゆがみを短時間で解析できてしまう技術が確立していたと考えるのである。

 これなら、『ローグ・ワン』で描かれていたように、帝国の惑星スカリフのアーカイブにすでにアクティブ・トラッキング技術に関する極秘文書が保存されていたことも時系列的に納得がいく。

 帝国はこのころからこの可能性に着目し、研究をしていたのだろう。

 そして、これなら冒頭に挙げたアクティブ・トラッキングに関する謎のいくつかの説明がつく。

 

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アクティブ・トラッキングの謎解き

メガ・スター・デストロイヤーの謎

   『最後のジェダイ』で、メガ・スター・デストロイヤーはレジスタンス艦艇の追尾を担う一隻のはずだ。だが、そのメガ・スター・デストロイヤーは、レジスタンス艦艇が超空間にジャンプした時、その場にいないのだ。

    これはストーリー上の不整合なのだろうかと初見では思うのだが、逆に考えて、もしかすると追跡を担う船が、追跡対象がハイパースペースにジャンプする際にその場にいなくても追跡できたということである。

    これをこのように考えてみる。

    まず、メガ・スター・デストロイヤーは、映画ではいきなり超空間を離脱してレジスタンス艦艇の前に現れていたが、一旦、レジスタンス艦隊が去った後の惑星ディカーの軌道上に現れ、他の艦艇と合流したのは間違いない。

   なぜなら、ハックス将軍はスノークの玉座で彼に謁見している。だから、まずメガ・スター・デストロイヤーは他の艦艇と合流したのだ。

   つまり彼らは、レジスタンス艦艇が逃れた後、即座に追跡してきたわけではなく、まず、追跡を担うメガ・スター・デストロイヤーが、惑星ディカーに現れて艦艇と合流したのちに、追跡を開始したのだろう。

    メガ・スター・デストロイヤーがいなければ追跡できないから、これは辻褄があう。

    そして、メガ・スター・デストロイヤーに装備されているアクティブ・トラッキング装置が、その宙域にある時空のゆがみ、実空間に残った超空間離脱前の航跡を分析したのだろう。

 リアルタイム性の謎

  ファースト・オーダーは同じように超空間を抜けて、レジスタンス艦隊を追跡してきたが、レジスタンスが超空間を離脱して30秒で後ろにつかれるらしい。

   これは、相当に早い。では、この追尾の仕組みはどのようになっているのだろうか?

 追う側も追われる側も、多少の速力差はあるとはいえ超空間飛行に要する時間は、そこまで変わらないと思っている。おそらく搭載しているハイパードライブの等級の違いによって変わるのだろうが、どの程度差になるかは不明だ。

    いずれにせよ、これまで書いてきたような仕組みであるならば、追跡対象の行先をほぼ瞬時に割り出さなければ30秒で追いつくというのはなかなか実現できなさそうだ。

 そこでだが、追跡する側は、まず実空間上の航跡から行先をある程度特定したのち、どこか途中の座標に超空間ジャンプし、あとは超空間上で前方に生じている航跡を解析しながら進むのではないのだろうか?

 ほぼリアルタイムで超空間を移動しながら、対象の行先を解析して追跡することで、ある程度、超空間ジャンプ時の行先に不確定性があっても、最終的には対象物を超空間離脱したポイントで確実に後方につけるという技術なのかもしれない。

他の船が代わる、先頭の1隻だけの謎

  フィンは、追跡を担うのが先頭の一隻で、もしその船が破壊されたら、他の船が代わるだけだという。これは、フィンらがメガ・スター・デストロイヤーに潜入して装置を一時的に使用不可能にするという行動の前提なので、重要な点だ。

 では、これはなぜなのだろうか?

 まず、他の船でも代われるということは、他の船にもトラッカー装置自体は装備されていると考えた方がいいだろう。代用が可能なのであるから、素直に考えればそうだ。

 そのうえで、使用時はあくまでも艦隊の先頭の1隻がこれを担うという仕組みと考えたらどうだろうか?

 私は、この理由についても考えてみて1つだけ理由を思いついた。

 追跡する側は、当然ながら超空間へジャンプして追ってくるわけだ。

 もし、追跡の仕組みが実空間あるいは超空間に生じた時空のゆがみを検知するものであるならば、先頭の1隻が超空間ジャンプしてしまえば、その空間に最後に残るのはその先頭の1隻の航跡ということになる。となると、後続の船はトラッキング装置があっても、先導する船の航跡に、追跡したい対象の航跡が消えてしまうことで、追跡することができなくなるのではないか?

 つまり、先頭の1隻だけが、確実に対象となる船舶の航跡の情報を掴まえることができるため、追跡を担えるのが先頭の1隻だけなのではないか?

    そして後続の船は、先頭の船が特定した座標に素直に従って続いていくのではないだろうか?

 これなら納得がいくではないか!

 そして、先頭の1隻を破壊しても、他の船が代わるだけという説明も付く。

 これは誘導電波を複数の船が受信できればトラッキングできるという仕組みでは説明できないアクティブ・トラッキング独特の説明だ。

 

《余談》『クローンの攻撃』ですでにアクティブ・トラッキング技術が確立している?

    少し話がそれるが、実は、このジャンゴを追跡するオビワンは、ジャンゴが超空間を離脱した直後に、自身も超空間を抜けて来ていて、これはアクティブ・トラッキングなのでは?と思われてしまう。この時の追跡の時間差は、オビワンが超空間離脱後に、ジャンゴの船をすぐ視認して追跡できるくらいの時間差しかなく、ほぼ30秒かそれ以下くらいなのだ。

     これは不思議なのだが、オビ・ワンは通常のトラッキングで、ジャンゴがジオノーシスで超空間離脱後に、彼の目的地を瞬時に特定して瞬時に、自身も座標計算を終え、ジオノーシスに来たのだろうか?

    あるいは、オビ・ワンが乗っていたジェダイスターファイターには実用化前のアクティブ・トラッキングのプロトタイプでも、実装されていたのか?これは謎だ。

 

まとめ

  アクティブ・トラッキングはかなり革新的な技術だ。なぜなら、これまでのスター・ウォーズ世界における常識であった超空間の追跡は不可能という常識を覆してしまっており、これはスター・ウォーズにおける戦いの戦術の前提を変えることだからだ。

 アクティブ・トラッキングが可能という状況では、超空間への離脱が絶対的に安全な逃避方法と言えなくなり、追跡されたらもはや逃げられない

 エピソード9でも、この技術は使われるのだろうか?

 レジスタンスも宇宙を舞台にしてゲリア戦法をとっても、追尾され秘密基地やランデブーポイントを特定されたら、殲滅されるだけだ。私が思うに、例えば、複数の地点を経由して超空間ジャンプすることで、追手を巻くとか、ダミーの航跡を使って偽装するとか、分散して逃げるなどの戦術が必要になってきそうである。 

 それにしても、スターキラー基地やメガ・スター・デストロイヤーや、アクティブ・トラッキングなどそんな技術を開発する資金をもっているファースト・オーダーは、旧帝国よりも強大な敵に見えるのだが、ファースト・オーダーをそこまでのものにした最高指導者は何も語らず逝ってしまい、このあたりはまだまだ多くの謎だけが残っているが、今後のフランチャイズの展開の中で、徐々に明らかになっていくことを願って待ちたいところです。