10月10日、遂に『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の予告編第2弾が公開されました。今回公開された予告編第2弾には、旧三部作特に『帝国の逆襲』『ジェダイの帰還』との共通点が数多く含まれています。今回の記事では、予告編のシーン毎にそれらを比較してみました。
カイロ・レン、アナキン、ヴェイダーそれぞれの葛藤
予告編最初のシーンに登場するカイロ・レン。ファースト・オーダー軍のスターデストロイヤーの格納庫を見下ろす場所にたたずむカイロ・レン。新三部作におけるカイロ・レンの物語は、前日譚(プリクエル)三部作におけるアナキン・スカイウォーカー、そして旧三部作におけるダース・ヴェイダーの物語である。
『クローンの攻撃』『シスの復讐』でアナキン・スカイウォーカーは、母親を失うことへの恐れと悲しみ、そしてパドメへの愛、禁断の愛とジェダイ規範との狭間での葛藤、自分の力の追求、師匠オビワンとの対立など、様々な葛藤からジェダイの道から逸れていく。そして次第に暗黒面に誘惑され、光明面と暗黒面とのはざまで揺れ動いていた。旧三部作におけるダース・ヴェイダーは、息子の存在を知り、次第に暗黒面から光明面にひきづり戻されていく。
三部作の第二幕はカイロ・レン、アナキン、ヴェイダーそれぞれの葛藤を描いた物語になる。
『エピソード8/最後のジェダイ』に描かれるカイロ・レンの葛藤
『エピソード5/帝国の逆襲』 で描かれたダース・ヴェイダーの葛藤
『エピソード2/クローンの攻撃』で描かれたアナキン・スカイウォーカーの葛藤
クレイトの戦いとホスの戦い
惑星クレイトでレジスタンス軍への地上攻撃をかけるファースト・オーダー、新型のATウォーカーが迫る場面は『帝国の逆襲』での惑星ホスでの戦いを思い出させる展開だ。『帝国の逆襲』では画面の右から左(←)へ進撃する帝国軍だが、『最後のジェダイ』では画面左から右(→)へ進むファースト・からオーダー軍。対して、反乱同盟軍は左から右(→)、レジスタンス軍は右から左(←)へ進む構図は、『帝国の逆襲』と相似形を成している。
『帝国の逆襲』では映画の冒頭で描かれ、敗戦の末、撤退を余儀なくされた反乱同盟軍。ルーク、ハン、レイアの主人公たちは惑星ホスを離ればらばらになる。『最後のジェダイ』では、映画冒頭でレイはルークのもとにおり、フィンは昏睡、ポーはレジスタンス軍として戦っており、それぞれが散った状況にあるが、映画の後半のクライマックスで惑星クレイトに集合してくるという逆の展開になるのではないだろうか?
『帝国の逆襲』では負けてしまった反乱同盟軍だが、果たしてクレイトの戦いにおけるレジスタンス軍の勝利はあるのだろうか?
『エピソード8/最後のジェダイ』のファースト・オーダー軍と迎撃するレジスタンス軍のスキースピーダー
『エピソード5/帝国の逆襲』の帝国軍と迎撃する反乱同盟軍のスノースピーダー
惑星クレイトの戦いでは、カイロ・レンが白色装甲をまとったトルーパーを率いて進む。『帝国の逆襲』での惑星ホス攻撃でのダース・ヴェイダーとスノートルーパーのよう。また上から見下ろすカメラアングルの構図は、『シスの復讐』で、ダース・ヴェイダーとなったアナキン・スカイウォーカーがジェダイ寺院を襲撃する場面を思い起こさせる。
『シスの復讐』のアナキンは、ジェダイの抹殺が目的だった。『帝国の逆襲』のダース・ヴェイダーはルークを捕らえることが目的だった。『最後のジェダイ』のカイロ・レンは何のために突き進んでいるのだろうか?。
『エピソード8/最後のジェダイ』で装甲兵(ストームトルーパー)を率いて進むカイロ・レン。彼の目的は何か?
『エピソード5/帝国の逆襲』で装甲兵(ストームトルーパー)を率いて進むダース・ヴェイダー。彼の目的はルークの捕縛、あるいはそのためのハンの捕縛だった。
『エピソード3/シスの復讐』で装甲兵(ストームトルーパー)を率いて進むアナキン(ダース・ヴェイダー)。彼の目的はジェダイの抹殺だった。
最高指導者とカイロ・レン、皇帝とヴェイダー
『最後のジェダイ』で、スターキラー基地を脱出したカイロ・レンは再びスノークの前に謁見する。赤壁をしているこの部屋は最高指導者スノークの玉座の間。
『帝国の逆襲』でヴェイダーは皇帝から息子であるルークを捕縛し、味方に付けることがお前にできるかと問われる。できなければその時は殺すまでだと。彼はスノークから再びレイと対峙し、スノークの元へ連れてこいと言われるのだろうか。
『エピソード8/最後のジェダイ』で最高指導者スノークに謁見するカイロ・レン
『エピソード5/帝国の逆襲』で皇帝パルパティーンに謁見するヴェイダー
レイとルーク、ルークとヨーダ
レイは自身の中に覚醒したフォースの使い方を学びたいとルークに助けを求めている。ルークはレイが持つフォースの強さを知っている。ルークはかつてカイロ・レンに起きたことと同じことがレイに起こることを危惧しているのだろうか?ルークはレイの修行をどのように受け入れるのか?
『エピソード8/最後のジェダイ』でルークに教えを求めるレイに対して、レイが持つフォースの潜在力の強さを見たルークはレイの修行を受け入れるのだろうか?
『エピソード5/帝国の逆襲』でヨーダはルークの忍耐力のなさが、父親と似ている、そして年を取り過ぎているとい理由でルークの求めをなかなか受け入れない。
レイの修行とルークの修行
惑星アク=トゥーでレイのルークのもとでの修行が始まる。フォースの使い方を学ぶシーンは、『帝国の逆襲』でのヨーダとルークのようになるのだろうか?
『エピソード8/最後のジェダイ』でレイはフォースの使い方を学ぶ
『エピソード5/帝国の逆襲』でルークはフォースの使い方を学んだ
水中に飛び込むレイ。泳いで這い上がった先の岸にルークがいる。このシーンは『帝国の逆襲』で描かれた洞窟のシーンに似ている。『帝国の逆襲』でルークは自分自身の暗黒面の化身としてのダース・ヴェイダーの幻影を見た。『最後のジェダイ』でレイが直面する試練とは何か?
『エピソード8/最後のジェダイ』でレイが直面する試練とは?
『エピソード5/帝国の逆襲』でルークが直面する暗黒面の姿。洞窟の中でルークは自分の暗黒面の化身としてのダース・ヴェイダーを見た。
母と息子、父と息子
タイ・サイレンサーで自らレジスタンス 軍を攻撃するカイロ・レン。司令船にいるレジスタンスの司令官そして自分の母親であるレイアの存在をフォースで感じる。 『帝国の逆襲』の最後のシーンでは、惑星べスピンでヴェイダーと対決したルークは、レイアとランドの乗るミレニアム・ファルコン号に救出される。
ルークを追って逃亡するファルコン号を追うヴェイダー。スーパー・スターデストロイヤーからフォースを使って息子ルークに呼びかけるヴェイダー。ルークも父親の存在を感じるが、ファルコン号は超空間へ脱出する。
『エピソード8/最後のジェダイ』でレジスタンスの司令船に接近するカイロ・レンののるタイ・サイレンサー。司令船にいる母を感じる息子、接近する宇宙船にいる息子を感じる母。
『エピソード5/帝国の逆襲』で帝国軍司令船に接近するルークののるファルコン号。司令船にいる父を感じる息子、接近する宇宙船にいる息子を感じる父。
ミレニアム・ファルコン号の活躍
本予告編でもミレニアム・ファルコン号が登場する。惑星クレイトと思われる場所を高速でTIE戦闘機の追撃をかわしながら進むファルコン号は、まさしく『ジェダイの帰還』であった第二デス・スター攻撃のシーンに似ている。黒色と赤色のコントラストと複雑に入り組んだ外壁も、第二デス・スターの内部トンネルを彷彿させる。
『エピソード8/最後のジェダイ』で惑星クレイトの内部をTIE戦闘機の追跡を交わしながら進むファルコン号。
『エピソード6/ジェダイの帰還』で第二デス・スターの内部をTIE戦闘機の追跡を交わしながら進むファルコン号。
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惑星ディカーの戦いとエンドアの戦い
惑星ディカーからの撤退戦。緑豊かな惑星の上空で繰り広げる艦隊同士の宇宙戦は、『ジェダイの帰還』のエンドアの戦いを思い起こさせる。スター・ウォーズでは実は宇宙艦隊同士の戦いは意外に少なく、『ジェダイの帰還』における「エンドアの戦い」や『シスの復讐』における「コルサントの戦い」くらい。『最後のジェダイ』における惑星ディカーの戦いは、撤退するレジスタンスの全軍と、これを壊滅しようとするファースト・オーダー軍の全軍がぶつかる激しい戦いになるのではないだろうか?
『エピソード8/最後のジェダイ』のディカーの戦いは、新三部作初の大規模な艦隊同士の戦いになるのか?
『エピソード6/ジェダイの帰還』のエンドアの戦い
ルークの試練再び?
予告編の中で衝撃的だったルークの台詞、「思い通りに行くことはないぞ(This is not going to go where you think!)」。誰に向かって言うセリフかは不明だが、何かに追い詰められて倒れこんでいるルークの姿は、『帝国の逆襲』でヴェイダーに追い詰められながらも、暗黒面への転向を拒否したルークの姿を思い出す。『最後のジェダイ』ではルークも再び試練を向かえるのだろうか。
『エピソード8/最後のジェダイ』のルーク。彼の目線の先にはいるのは誰か?
『エピソード5/帝国の逆襲』のルーク。目の前にいたのは暗黒面へ誘うヴェイダー。
格納庫に集結するファースト・オーダー軍と帝国軍
予告編の中で集結するファースト・オーダー軍が映るが、同様のシーンは『ジェダイの帰還』で第二デス・スターを訪れた皇帝を出迎える帝国軍のシーンにあった。ここではファースト・オーダー軍が最高指導者スノークを出迎えるのであろうか?
『エピソード8/最後のジェダイ』で格納庫に集結するファースト・オーダー軍。最高指導者スノークを迎える場面だろうか?
『エピソード6/ジェダイの帰還』で皇帝パルパティーンを迎える帝国軍
スノークと対決するレイ、皇帝と対決するルーク
スノークが『フォースの覚醒』よりはっきりとした姿で予告編に初登場。彼の正体は依然不明だが、今作でレイと対峙する。対峙するのは、スノークの玉座の間。
スノークがレイに言う「自分の運命を果たせ(fullfil your destiny)」とは、『ジェダイの帰還』で皇帝パルパティーンがルークに暗黒面を受け入れるのだ、と言ったときに言った台詞と全く同じだ。
『エピソード8/最後のジェダイ』で「運命に従え」といい暗黒面へ誘い込む最高指導者スノーク、レイに暗黒面の力をみせつける。
『エピソード6/ジェダイの帰還』で「運命に従え」といい暗黒面へ誘い込む皇帝パルパティーン、ルークに暗黒面の力をみせつける。
カイロ・レンの誘い、ヴェイダーの誘い
予告編の最後の場面で、レイと向き合っているようにみえるカイロ・レン。カイロ・レンが手を差し出したところで予告編は終わる。『帝国の逆襲』でルークを暗黒面に誘ったヴェイダーと重なるカイロ・レンの姿。カイロ・レンがレイのフォースの力の強さを知って以来、カイロ・レンはレイを暗黒面へ誘惑するのか?
『エピソード8/最後のジェダイ』で手を差し出すレン、レイを暗黒面へ誘う?
『エピソード5/帝国の逆襲』で手を差し出すヴェイダー、ルークを暗黒面へ誘う
まとめ
いよいよ公開された予告編第2弾は、色々な内容が詰め込まれたものになりました。『フォースの覚醒』の時は、レイに関する物語は『新たなる希望』、カイロ・レンに関する物語は『帝国の逆襲』と、二つを同時に見せられたような衝撃を受けましたが、『最後のジェダイ』は、『帝国の逆襲』と『ジェダイの帰還』の内容を詰め込まれたような作品になるような気がしています。
物語の基本基軸は『帝国の逆襲』で描かれたような、ファースト・オーダー軍の容赦ないレジスタンス軍への攻撃と、カイロ・レンの葛藤、レイとルークの物語となりながらも、スノークとレイや艦隊同士の宇宙戦など『ジェダイの帰還』に描かれたものを彷彿とさせるシーンもありそうです。
『スター・ウォーズ / 最後のジェダイ』公開は12月15日。公開日まで新しい情報などがあれば引き続きこのブログは更新していきたいと思います。
というわけで、フォースと共にあれ・・・
基本情報:『スター・ウォーズ / 最後のジェダイ』
[作品データ]
原題:STAR WARS: The Last Jedi
製作年:2016年
製作国:アメリカ
製作会社:ルーカス・フィルム
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
上映時間:---分
[スタッフ]
監督:ライアン・ジョンソン
脚本:ライアン・ジョンソン
製作:キャスリーン・ケネディ、ラム・バーグマン
[キャスト]
マーク・ハミル
キャリー・フィッシャー
アダム・ドライバー
デイジー・リドリー
ジョン・ボイエガ
オスカー・アイザック ほか
《スター・ウォーズ映画最新作『スター・ウォーズ / 最後のジェダイ』は2017年12月15日より全国ロードショー》
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