StarWalker’s diary

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『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』をもう一度楽しむ:ハンは何故レイを雇おうとしたのか?

  スター・ウォーズ映画最新作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は、いよいよ公開まで2ヶ月を切り、予告編第2弾の公開をはじめメディアでの取り上げも多くなってきました。

  この度、当ブログですでに公開している様々な考察のほかに、『最後のジェダイ』を観る前に、新三部作の第一幕『フォースの覚醒』をもう一度見直して楽しむための記事をシリーズで投稿していきたいと思います。

 今回は、『フォースの覚醒』で戻ってきた我らのハン・ソロと新三部作の主人公レイに関する、あの印象的なシーンについて考えてみました。

 《!以後、ネタバレを含みます!》  

 

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ハンはなぜレイを雇おうとしたのか?

  ハン・ソロとレイの出会いは非常に印象的だ。そしてレイはハンを父親のように思っていた。ハンもレイを自分の娘のように思っているようだった。特に惑星タコダナに降り立った二人が会話するシーンは、父と娘の間の愛情のようなものを感じる非常に印象的な場面だ。

 ハンは、レイの名前を聞く。「名前は?」「レイよ。」そう答えたレイに、ハンはミレニアム・ファルコン号で二等航海士を雇おうと思っていると言う。そしてレイを雇おうとするのだ。

 

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スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のハンとレイの印象的なシーン

  

レイ: 私を雇ってくれるの?   
ハン: きつい仕事だぞ。給料も安い。
レイ: 雇ってくれるのね。
ハン: そう思っている。

 

 このシーン、一見ハンがレイのことを知っているような、あるいは実の娘なのでは、とも思えてしまうくらいに二人の間に親子のような特別な愛情を感じるシーンである。事実、映画公開直後はハンとレイの親子説、カイロ・レンとレイの兄妹説も出たくらいである。しかし、この場面をさらに深読みしてみると実はもっと感動的で感慨深いシーンであることに気が付く。

 なぜ、ハンはレイを雇おうとしたのか?

 

 旧作ファンならご存知かもしれないが、実は、ハン・ソロがミレニアム・ファルコン号の航海士を募ったのはこれが初めてではないのだ。ハンはチューバッカと常に二人でファルコン号で密輸業を行っているのだが、旧三部作の中で一度だけある男に「一緒に来ないか?」と誘っているのである。

 その男とは誰か?そう、それはルーク・スカイウォーカーなのだ!

 思い出して欲しいのは、エピソード4『スター・ウォーズ/新たなる希望』でデス・スター攻撃に出撃するルークにハンが声をかけるシーンだ。

 レイア姫を救出したことで狙い通り礼金を貰ったハンは、レイアが持ち帰った設計図を分析して出撃する反乱同盟軍を横目に、ともに出撃しようとするルークに対し、「デス・スターを攻撃するのは自殺行為で馬鹿げている」と言ってずらかろうとする。その姿を見てルークはハンを非難するのだが、この時、ハンはルークに「一緒に来ないか」と誘っているのだ!この時、ハンはルークの操縦の腕を高く買っており、「操縦の腕もいいし、相棒にしてやる」というのである。

 

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 スター・ウォーズ/新たなる希望』でハンはルークを相棒にならないかと誘った・・

 

ルーク: 礼金を貰ったら、サヨナラか?   
ハン: そうだ、悪いか?借金を返さなきゃならないんだよ。どちみち、俺がこんなところに長いするわけないだろ。一緒に来いよ。操縦の腕もいいし、相棒にしてやる。

 

 さて、これを踏まえて『フォースの覚醒』をもう一度見てみる。ハンは、レイに会ったときに何を感じただろうか。

 ジャクーという砂漠の惑星で一人ゴミ漁りをしている少女。フォースとジェダイという魔法の力に魅せられている。そしてファルコン号の操縦の腕もうまい少女。

 惑星タコダナをみて「銀河にこんな緑があったなんて・・」と感涙しているレイを見て、ハンは明らかに彼女の境遇に同情している。 

 この時、ハンは思い出したはずだ。

 かつて自分が密輸業をしていて反乱軍の英雄になる前、タトゥイーンという辺境の砂漠の惑星のモス・アイズリー宇宙港である田舎の少年に出会ったことを。青二才でオビワンという変な老人から教わったフォースとジェダイという魔法の力に魅せられている。生意気だったが操縦の腕もいい、そんな少年のことをだ。

 レイに出会い、フィンとレイに「ルークを知っているでしょう?」と聞かれ、ハンは、ルークとの出会いを思い出したに違いない。そして、レイにかつてのルークの姿を見たのだ。反乱同盟軍の将軍で銀河に平和を取り戻した銀河内戦の英雄ハン・ソロ。そんな過去、英雄ハン・ソロとして生きていた自分を捨て、レイアともルークとも離れ、再びチューバッカと二人だかで、かつてと同じ境遇で借金を背負って密輸業者として昔の仕事と生活に戻っていたハン・ソロの前に、かつてのルークと同じような少女が現れたのだ。

 あの時も、秘密情報を持ったドロイドを運んだ・・。あれ以来俺の運命が変わった・・ハンはあるいは、そんなことを考えていたのかもしれない。

 惑星タコダナに着き、レイの名前を聞いて、微笑むハン。ひょっとしたら「レイとルークか、名前まで似ていやがる」とでも思ったのかもしれない。レイ(Rey)はrayに通じて「光」を表し、ルーク(Luke)も「光るもの」「光」を意味する名前だ。

 だから、ハンはここでレイに「ファルコン号の仕事をしてみないか」と誘ったのだ。昔、ルークに対しても自分がそうしたように

 

 なんと印象深いシーンだろう。ハンのルークとの思い出、その後の2人の悲しい運命。ハンの運命がレイに出会って、また再び変わろうとしている。そんな、ハン・ソロの内面の心理を実に見事に表している。

    J・J・エイブラムス監督のの脚本と演出のすばらしさと完成度の高さはこのシーンだけを見てもわかる。『フォースの覚醒』は旧三部作と新三部作を結び付けた、まさしく新三部作の第一幕にふさわしい傑作だ、とあらためて感慨にふけってしまった。

 ハン・ソロよ、フォースと共にあれ・・・

 

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基本情報:『スター・ウォーズ/フォースの覚醒

[作品データ]
原題:STAR WARS: The Force Awakens
製作年:2015年
製作国:アメリカ
製作会社:ルーカス・フィルム、バッド・ロボット・プロダクションズ
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
上映時間:136分

[スタッフ]
監督:J・J・エイブラムス
脚本:ローレンス・カスダンJ・J・エイブラムスマイケル・アーント
製作:キャスリーン・ケネディJ・J・エイブラムス、ブライアン・バーク

[キャスト]
ハリソン・フォード
キャリー・フィッシャー
デイジー・リドリー
ジョン・ボイエガ
アダム・ドライバー
オスカー・アイザック ほか

 

スター・ウォーズ/フォースの覚醒』をもう一度みよう!