スター・ウォーズ映画最新作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は、いよいよ公開まで2ヶ月を切り、予告編第2弾の公開をはじめメディアでの取り上げも多くなってきました。
この度、当ブログですでに公開している様々な考察のほかに、『最後のジェダイ』を観る前に、新三部作の第一幕『フォースの覚醒』をもう一度見直して楽しむための記事をシリーズで投稿していきたいと思います。
『フォースの覚醒』の物語は『新たなる希望』のストーリーを踏襲していました。公開直後から話題にはあがっていましたが、『フォースの覚醒』の主人公レイと『新たなる希望』の主人公ルークには多くの共通点があります。ここであらためて二つの映画におけるレイとルークの物語の共通点を一つ一つ整理してみました。
《!以後、ネタバレを含みます!》
名前
レイの名前(Rey)だが、当初製作段階での名前はキラ(Kira)だった。Kiraは「光線」「一筋の光」などを意味するサンスクリット語が語源である。途中で名前はReyに変わったわけであるが、Reyはrayに通じてこれも「光」を表す言葉である。また、Reyはこれに加えてスペイン語で「王」の意味である。ルークの名前(Luke)も「光るもの」「光」を意味する。
砂漠の惑星
ルークは砂漠の惑星タトウィーンで両親のことを知らずに育つ。レイもまた砂漠の惑星ジャクーで両親を知らずに育つ。二人とも幼い頃に両親以外の人物に預けられた。スピーダーを乗り回し辺境惑星の外に拡がる宇宙の物語と冒険を夢見る。
ドロイドとの出会い
ルークはR2と出会った。R2は反乱軍のために重要な情報を持っており秘密基地に向かわねばならない任務を負っている。レイもBB8と出会う。BB8も同様にファーストオーダーのための重要な情報を持っていた。
ベンとの出会い、オビワンとの出会い
ルークはクローン戦争の将軍で英雄であったベン・ケノービに出会う。レイは銀河内戦の将軍で英雄であったハンソロに出会う。R2がベンにレイア姫からのメッセージを再生する。BBー8はハンにスカイウォーカーの地図を見せる。ルークはベンから、レイはハンからフォースとジェダイの古の物語、師を裏切った弟子の物語を聞く。
ミレニアム・ファルコン
ファースト・オーダーに追われて、ファルコン号でジャクーから脱出するレイとフィン。ルーク、ハンらは帝国軍に追われてファルコン号でタトゥイーンから脱出する。ミレニアム・ファルコン号に乗り込み、ファルコン号が離陸する場面は、二つの映画で同じような描かれ方をしている。
ハンとの関係
レイもルークもハン・ソロからファルコン号の仕事をしてみないかと誘いを受ける。レイはジャクーに戻らなければといって断るが、ルークもまた反乱軍として出撃することを選びこれを拒否していた。
フォースへの道
ルークのライトセーバーは、アナキンからルークに継がれた。『新たなる希望』で父親のライトセーバーを受けついだルークと同じように、レイもまたその同じライトセーバーを手に取ることになる。しかし、『新たなる希望』でルークは、デス・スターの設計図をオルデランへ届けるために一緒に来てフォースを学ぶのだというオビワンに対して、当初一緒に行くことを一度拒む。『フォースの覚醒』のレイも、マズにライトセーバーを手に取りなさいと言われるが、一度これを拒むのである。
オビワンの死、ハンの死
デス・スターの中でオビワン・ケノービの死を目撃するルーク、スターキラー基地でハンの死を目撃するレイ。 画面で比較するとわかるが、ルークの視線が左向きなのに対して、レイの視線は右向き。ヴェイダーとオビワンと立ち位置と、カイロ・レンとハンの立ち位置も逆転していて、『新たなる希望』と『フォースの覚醒』での左右反転の構図をとっていることがわかる。
ライトセーバーの戦い
ライトセーバーの戦いも、ルークが『帝国の逆襲』『ジェダイの帰還』で見せた戦いの再現である。『フォースの覚醒』では序盤カイロ・レンに追い詰められていくレイだが、この部分は『帝国の逆襲』のクラウド・シティの場面と同じであり、レイのフォースが覚醒し、カイロ・レンを追い詰める後半は『ジェダイの帰還』のルーク対ヴェイダー戦そのままだ。
狭い通路で戦う二人。敵に押されていき断崖絶壁に追い詰められる二人。カイロ・レンとの戦いで、レイが序盤に追い詰められる部分は『帝国の逆襲』でのクラウド・シティにおけるヴェイダー対ルークの戦いの再現。片手で戦うカイロ・レンとヴェイダーに対して、赤い光刃をかわしながら逃げ防戦一方のレイとルーク。
『ジェダイの帰還』でライトセーバーをフォースで引き寄せ戦う構えを見せるルーク。カイロ・レンとの戦いで崖に追い詰められたレイがフォースを使い、カイロ・レンを圧倒する後半は、『ジェダイの帰還』のルークの戦いと同じ様子になる。
フォースで引き寄せたライトセーバーで戦いを挑む二人
ライトセーバーを振り下ろしてさらに敵を足蹴して倒す二人
ライトセーバーで突きをして、怒りにまかせて何度もライトセーバーを振り下ろす
怒りにかられて上段から勢いよくライトセーバーを両手で振り下ろし敵を倒す
余談:巷には、このライトセーバー戦でレイがライトセーバーで突きを見せる戦い方がパルパティーンと似ているということで、レイがパルパティーンの孫娘なのでは?という憶測もあったようですが、レイの戦い方はそれ以上に明らかにルークの戦い方そのままであり、ルークも実は突き攻撃(もっともパルパティーンとレイは片手、ルークは両手の違いはありますが)を使っています。ライトセーバー戦の類似点がレイの両親を示す根拠になるのであれば、それこそスカイウォーカーの血をひいていると考える方が自然である。
まとめ
『フォースの覚醒』はレイを主人公とする新三部作の序章であり、レイが古のジェダイの伝説に出会いフォースを学ぶことになる物語の始まりだ。
こうしてあらためて画像で比較すると、物語の大きな流れもそうだが、細かな部分で旧三部作のルークの物語を踏襲したつくりになっていることがわかる。『新たなる希望』のルークと同じ画面構図をとっているし、重要な場面では、左右を逆転させているのが一貫している。これは『フォースの覚醒』製作陣が旧作を研究して意図的にやっているのでしょう。
レイの物語をルークの物語にオーバーラップさせながら観客には、同じ形に映らないように画をつくっているのは非常に面白いです。
『最後のジェダイ』ではそのルークとレイの師弟関係、そして新しい冒険が描かれることになりますが、『最後のジェダイ』を観る前に『フォースの覚醒』『新たなる希望』の二人の冒険をもう一度楽しんでみるといいかもしれません。
レイとルークにフォースのご加護を!
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』をもう一度みよう!
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