StarWalker’s diary

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『スター・ウォーズ』はどこへ向かう?レイの両親に関する製作側発言から見えてくる事実

 今年12月に公開される『スター・ウォーズ』映画最新作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』。さらに11月11日、12日には『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』が再上映されることが発表されました!

 ファンでなくても『フォースの覚醒』を観た誰もが思う一番の謎は、新三部作のヒロインであるレイの出自、彼女の家族、両親の謎です。

 強いフォースの持ち主であるレイ、『フォースの覚醒』ではルークの弟子であったカイロ・レンといきなりライトサーベル戦で互角以上の戦いを見せていたレイ。ファンの間では、ルークの娘説、ハンとレイアの娘説、オビワンの血統説、パルパティーンの孫娘説などなどあって、どれもそれなりに説得力があります。

 一方、それだけ注目を集める話題であるだけに、彼女の両親が誰かについては、製作側のインタビューやコメントも比較的多く出ています。実は、製作側の発言をもう一度整理していくと、レイの両親に関する少し違った答えが見えてきます。

 

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『フォースの覚醒』公開前

スター・ウォーズはスカイウォーカー家の物語」

 『フォースの覚醒』公開前の製作側のコメントとしては、2015年10月の「コストコ・コネクション」(The Costco Connection、October 2015, Volume 30, Number 10)に掲載されたキャスリーン・ケネディのインタビュー記事があるが、ここで、ルーカスフィルムのトップであるキャスリーン・ケネディが、今後の『スター・ウォーズ』映画の構想について語っている(The Costco Connection - October 2015)。

The Saga films focus on the Skywalker family saga. The stories follow a linear narrative that connects to the previous six films. The Force Awakens follows Return of the Jedi and continues that generational story. The Anthology films offer opportunities to explore fresh characters, new storylines and a variety of genres inside the Star Wars universe.

スター・ウォーズの)サーガ(年代記)映画はスカイウォーカー家の冒険物語なのです。物語は過去の6作から直接繋がった一連の物語で『フォースの覚醒』は『ジェダイの帰還』の続編であり、世代の物語は続くのです。アンソロジー(選集)映画では、スター・ウォーズ世界における全く新しいキャラクターや、物語、様々なジャンルを探求していきます。

  

 ここで彼女は、ディズニー配下となったルーカスフィルムが製作する「スター・ウォーズ」映画のうち、過去の6作の映画作品に続く新三部作の映画作品群を「サーガ―映画」と呼んで、これはスカイウォーカー家の大河ドラマになると語っている。それに対して、スピンアウト作品を「アンソロジー映画」として、主軸となる(スカイウォーカー家の)物語に付随する様々なキャラクターの物語を提供すると言っている。

 『フォースの覚醒』は『ジェダイの帰還』の続編で世代の物語が続く、と言っていることからも、アナキン、ルークに続いてレイという新しいスカイウォーカー家の世代の物語として新三部作が企画され製作されていたことは明白だ。   

デイジー・リドリー「答えは『フォースの覚醒』で描かれる」 

 公開前に話題になったもう一つのインタビューコメントは、レイを演じたデイジー・リドリーのものだ。2015年、映画公開直前の11月4日に、「ザ・ハリウッド・レポーター」でのインタビューでデイジー・リドリーは、レイの両親についての答えは『フォースの覚醒』で明らかになると答えている(Next Gen 2015: New 'Star Wars' Stars on Anxiety, Rejection and Sudden Stardom | Hollywood Reporter)。   

Q. Everyone wants to know who Rey's parents are. Do you know?

A. Yeah.

Q. Will the viewer know after the first episode or not necessarily?

A. Questions will be answered, absolutely. The main question will be answered.

Q. レイの両親が誰かみんな知りたがっていますが、知っていますか?

A. ええ

Q. 観客は答えを知ることになりますか?それともそうではない?

A. 間違いなく答えはでてきます。一番大きな疑問に対する答えは示されるでしょうね。

  この11月4日の段階で『フォースの覚醒』公開直前であり、8月にはJ.J.エイブラムス自身による最終編集も終わっており、上映時間も決まっていたころである。

 デイジー・リドリーが、この時点で最終編集版を見ていたかどうかは不明だ。デイジー・リドリーは、12月2日のABCニュースのインタビューで、その時点ですでに映画を観たことを発言しているが、11月4日の時点では、それより1か月も前であり、公開版の映画本編は見ていない可能性も高いと思う。

 したがって、ここでデイジー・リドリーが「映画の中で答えが明かされる」と発言していても最終編集版の鑑賞の結果にもとづくコメントではない可能性もある。しかし、最終編集段階でカットされた重要なシーンについてはそれが何かは比較的明らかになっており(マズ・カナタがレジスタンスの基地へ行きレイアにライトセーバーを渡すシーンなど)、そこに「明らかにレイの両親が誰かであることへ言及する」シーンがない限りは、デイジー・リドリーがこの時「間違いなく答えは出てくる」と発言したことは、そのまま公開版の映画にも通用する話と考えていいだろう。

 さらに、後述で紹介するコメントにあるように、デイジー・リドリー自身は、映画公開後も『フォースの覚醒』で多くの答えはすでに示されている、と発言している通り、公開前から一貫して劇中に十分に答えが出ている、と考えていることがわかる。

  

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『フォースの覚醒』公開後

スカイウォーカーかケノービか?J.J.エイブラムス監督の答え

 『フォースの覚醒』の監督であるJ.J.エイブラムスは、当然ながらレイの両親について知っているはずである。そのJ.J.エイブラムス監督が、レイの両親について語ったインタビューとして2016年1月12日のものがある。

 これは、J.J.エイブラムスがTCA (Television Critics Association)のプレスツアーのインタビューで「レイの両親は誰か?スカイウォーカーかケノービか?」との質問に答えたものだ('Star Wars': J.J. Abrams Knows Who Rey's Parents Are | Hollywood Reporter)。 

I know quite a bit, but obviously it’s not for me to talk about in this moment because this is Rian [Johnson]’s story to continue now, and the last thing I’m going to do is reveal something that he would be upset about. I want to make sure that Rian gets the courtesy he showed me.

かなりのことは知ってますよ。けど、当然ながら今は話せないですよ。この話は今はライアン(ジョンソン)のもとで継続中の話であるし、ライアンを怒らせることは言いたくないから。彼がこれまで通り親切でいてくれるという確証があればいいけどね。

  実は、この2016年1月というタイミングは、ちょうどライアン・ジョンソン監督が『最後のジェダイ』(この時点で副題は未公表だが)の撮影開始にむけて最後の脚本の修正を行っていた時期である。

 『最後のジェダイ』は、『フォースの覚醒』公開の直前、2015年11月から製作が開始されていたが、脚本完成後、撮影は2016年1月から開始する予定であった。しかし、2016年1月に、製作が同年2月に延期されることが発表され、撮影も延長と遅れがでる見込みになった。この製作段階の遅れは脚本の見直しによるものだ。

 公表されている情報であれば、この脚本の見直しの理由は、物語を新キャラクターよりもレイ、ポー、フィンに焦点をあてたものにしたということなので、レイに関する部分についても変更が何かしらあった可能性もある

 こうような背景があったため、J.J.エイブラムスの発言が上記のように、現在進行中であったライアン・ジョンソン監督の仕事に配慮したため明言をさけたコメントとなったと思われる。 

「レイの両親はエピソード7には出ていない」発言

 レイの両親に関する一番話題になったのが、おそらくこの発言だろう。『フォースの覚醒』公開後の2016年4月15日に、J.J.エイブラムス監督がトライベッカ映画祭におけるクリス・ロックとのライブ中のQ&Aコーナーで述べた発言だ。

 この時、J.J.エイブラムス監督はレイの両親について「エピソード7には登場していない」と発言して話題になった。 

Rey’s parents are not in Episode VII. So I can’t possibly in this moment tell you who they are. This is all I will say: It’s something that Rey thinks about too.

レイの両親はエピソード7には登場していない。なので今ここで両親が誰かを教えることはできないですよ。ただ1つだけ。両親が誰かということは、レイも同じように考えているっていうことだね。

 これを聞くと、必然的にエピソード7に登場したルーク、ハン、レイアは両親候補から外れることになる。なのだが、実は一捻りある。この発言の直後にエンターテイメント・ウィークリー紙がJ.J.エイブラムス監督をつかまえて聞いたインタビューの中で、この発言は以下のようにはっきりと訂正されているのだ(Star Wars: The Force Awakens: J.J. Abrams clarifies comments on Rey's parents | EW.com)。 

What I meant was that she doesn’t discover them in Episode VII. Not that they may not already be in her world.

僕が言いたかったのは、レイがエピソード7で両親を見つけていないということだ。彼女の世界にまだ存在していないかもしれない、ということではないよ。

 これは、明らかにレイの両親、あるいはそのどちらかは既に『フォースの覚醒』に登場している可能性に十分含みを示しているものです。J.J.エイブラムス監督が言ったことは、単に彼が『フォースの覚醒』の中でレイの両親について明確な形で答えを示していないという意味であり、謎解きの手掛かりにはならない。  

 でもなぜ、1月のTCA ではライアン・ジョンソン監督のプロダクションを考慮して発言に慎重だったJ.J.エイブラムス監督が、4月のトライベッカ映画祭では、直後に撤回したとはいえ「エピソード7に出ていない」と一時的に明言したのだろうか?単に口が滑ったのか?トライベッカ映画祭という場を考えても、ここでの監督の発言の影響は、1月のTCAの時よりも大きいことは明らかなので、口を滑らせたとしてもある程度確信が無ければ話さないだろうと思うのだが。しかも、エンターテイメント・ウィークリーが、この発言のあと監督を直撃しなかったら、発言を撤回することもなかったのだろうか?

 一つ考えられるのは、トライベッカ映画祭でこの発言をした4月には、1月と異なり『最後のジェダイ』の脚本が完成していたことである。『最後のジェダイ』は1月の段階で脚本の一部修正が入り、撮影開始が遅れるとも予想されたが、結果的に2016年2月には撮影が始まり、7月には撮影終了をライアン・ジョンソン監督が発表している。

 J.J.エイブラムスは、『フォースの覚醒』公開直後の2015年12月にエピソード8の脚本を見ており、脚本が気に入ったJ.J.エイブラムスが「とても素晴らしい!自分で撮れたらと思うよ」とまでコメントしている。だが、この脚本は2016年1月に一度見直しが入った。

 よって、2016年1月の段階では脚本の見直しもあり、これに考慮したJ.J.エイブラムスはTCAでは明言をさけたが、4月には脚本の最終版でできており既に撮影が開始されていたため、少し強気になったのだろう。

 彼は、知らないことに関しては明言を避けるが、自分が明らかに知っていることを隠すときは、真逆のことを言う(ようは単に嘘をつくということなのだが・・)ことがあるので、私は、レイの両親については「エピソード7」に登場しているのが事実であり、脚本が完成している状況もあって、インタビュ―ワーに迫られてとっさに「(本当は出ているのに)出ていない」という言い方をしたが、その後「まずい」と思ったのか訂正した、というのが真相だろう。  

デイジー、「前作で答えは出ている」

 先に紹介したJ.J.エイブラムスのコメントの後に出た主要な製作側からのレイの両親についての言及はデイジー・リドリーのものだ。レイを演じたデイジー・リドリーは、2016年12月5日のタイムアウト・ロンドンとのインタビューでレイの両親についての彼女の考えを述べている。

I thought a lot was answered in "The Force Awakens", then after the screening I went for a drink with my agent and everyone, and we were chatting away and I realised that oh, in their minds it’s not answered at all!

私は多くのことは『フォースの覚醒』の中で答えが示されていると思っていたんです。でも映画が公開されて、代理人やみんなと飲みに行って彼らの話を聞いたときに気が付いたんです。『あれ?この人たちの頭の中では何も答えになっていなかったんだ!』って。

 すなわち、彼女にとっては自明のことという認識なのに、観客や周囲の人間が気が付いていないことにびっくりしたと言っている。デイジー・リドリーとしては、当然ながら真相を自分からは話すことなく「落ち着いて。そのうちにわかるわよ」と礼儀正しくファンを見守るコメントをしている(Who are Rey’s parents? The answer is in ‘The Force Awakens’, reckons 'Star Wars' star Daisy Ridley)。 

And I do find it quite funny that people keep asking about it. Just yesterday a guy asked to take a picture with me, and went "Is Luke your Dad"? And I was like, "chill out, you’ll see"!

今でも、みんながこのことを聞いてくるのがちょっぴり面白くて。ちょうど昨日も、ある人に一緒に写真を撮ってと言われて、その時に『お父さんはルークなんですか?』って。で私的には『落ち着いて。じっくり考えてみたら。そのうちわかるわよ!』っていう感じで(笑)

 このコメントを素直に読めば、『フォースの覚醒』を見てみれば自然とレイの両親が誰かはわかると言っているのだ。  すなわち、複雑なことを全く考えず、最初に『フォースの覚醒』を鑑賞して劇場を出たあとに感じたことがそのまま答えである、ということになるだろう。 

 

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『最後のジェダイ』に向けて

 ライアン・ジョンソン監督「物語には多くの驚きや紆余曲折がある」

 『最後のジェダイ』に向けて、最近ではライアン・ジョンソン監督も、2017年4月14日のABCのニュース番組「グッドモーニング・アメリカ」のインタビューでレイの両親について話している('Star Wars' director Rian Johnson nearly gives away details about Rey's parents Video - ABC News)。

It’s something that’s absolutely going to be addressed in the movie. It’s tough because this is another element of the secrecy of it all. The other part of it is there’s lots of surprises in this movie, and there’s lots of twists and turns.

間違いなくこの映画の中で言及されることになるでしょう。(はっきりとした説明がされると言うのは)難しい、というのは他にも関係していく秘密要素があるからなんです。映画の中には多くの驚きや紆余曲折があるんです。

 エピソード8で、レイの両親に関して何かしら言及されるということまではわかっていますが、彼によれば明確に答えが示されることはないようです。 気になるのは、他にも秘密要素があるということ。物語には多くの驚きや捻りがあるといい話題をそらしている。

 ライアン・ジョンソン監督は『フォースの覚醒』の時と違い、自身でエピソード8の脚本を書いている。したがって物語の展開についてはかなり自信があるようで、常に「衝撃的な展開になる」と語ることが多い。それだけ期待を自分で上げるところを見るとよほど自信があるのだろう。   

 デイジー・リドリーライアン・ジョンソン監督

  『最後のジェダイ』公開が近づくにあたり、エンターテイメント・ウィークリーが2017年8月11日に掲載したデイジー・リドリーとのインタビューでは、レイの両親についてのコメントがあがった。

You can always look for answers and that doesn’t mean that the rest of your life is so easy. It’s not like, oh, I know who my parents are so now everything falls into shape, especially in the Star Wars world,

Yes, it would potentially change her mind, or at least give her a little bit more peace in moving forward. But ultimately what’s coming is coming, and whatever abilities she has are there. So, personally, I think it’s less important than even she may think.

いつだって答えを求めることはできますよね、でもそれによって人生が簡単になるかというとそうではないと思うんです。つまり、そっか自分の両親はダレダレなんだ、と分かった。そしたらすべてが上手くいくというようにはいかないでしょう。特に、スタ・ウォーズの世界ではそうなのでは、と思いますよ。確かに、レイの考えを変えることにはなるでしょうし、少なくとも彼女が前に進んでいく上で、心により多くの安らぎをもたらすことにはなるのだと思います。でも、彼女が持っている才能は才能としてあって、来るべき運命はやってくるのですし。それに私が思うには、レイ自身が考えているほど大切ではない、と思います。

What’s wonderful is it’s not so cut and dry, who’s good and who’s bad and that’s not me saying, ‘Oh, my God, some people are gonna go bad,' There’s always room for bad people to make good decisions and vice versa. Again, that could be nothing to do with your parents and it could be everything to do with your parents.

素晴らしいと思うのは、そんなに割り切れるものではないということ。誰がいい奴で誰がわるい奴とかね。いつも悪人が良い決心をすることもあれば逆もありです。繰り返しになるけれど、それは両親が誰かとはまったく無関係かもしれませんし、逆に全てが関係してくるかもしれません。

  このデイジー・リドリーのコメントは、これまでのコメントを十分に踏まえたうえで考える必要がある。デイジー・リドリーからすると、レイの両親が誰かという問題は、はすでに『フォースの覚醒』で明白になっていると考えており、すでにこの映画の中心の話題ではない、と感じているのではないだろうか。

 『最後のジェダイ』では、物語に色々と衝撃的な展開も含めて紆余曲折があることが言われており、レイを演じる女優としては、『最後のジェダイ』では両親が誰であるか、ということよりももっと重要なことが描かれることを主張している(The Last Jedi: Rey's family takes focus in Star Wars movie | EW.com)。

 デイジー・リドリーからしたら、レイの両親の正体は『フォースの覚醒』時の話題としては旬であるべきものだと思っているが、すでに第二作目である『最後のジェダイ』では重要な問題ではない、と思っているのではないだろうか。レイの両親が誰か、というのは到着点ではなく、出発点であり、レイの物語は進んでいるのだと当人が考えているのは納得がいく。

 また、これと同じ記事には、ライアン・ジョンソン監督へのインタビューもある。

To me, it’s important insofar as it’s important to her, and I think it’s important to her in terms of what is her place in all of this? What’s going to define her in this story? She was told in the last movie that the answer’s not in the past; it’s looking forward. But she’s showing up on this island to talk to this hero from the past.

レイにとって大切なことであるという限り、僕にとっても重要なことですね。そして、この物語の中で彼女の居場所がどこなのかという意味において大切なことです。前作で、彼女は答えは過去にはないと言われる。未来を見ています。しかし彼女はこの島に来て過去の英雄と話をすることになるんです。

 ライアン・ジョンソン監督「それは衝撃的というよりもただ興味をひかれるということ」

 『最後のジェダイ』の公開が3か月に迫った2017年9月6日、ライアン・ジョンソン監督のインタビュー記事が「ニューヨーク・タイムズ」に掲載された。この中でも、レイの両親など『フォースの覚醒』で答えられなかった多くの謎について問われて次のように話している(The Fate of ‘The Last Jedi’ Is in His Hands - The New York Times)。 

Take the question of who Rey's parents are: If you get that information - oh, it's that! - who really cares? I know a lot of people care, but it's interesting as opposed to impactful. Now, what is my place in the world? Where do I come from? Where do I belong to? O.K., I understand what the weight of that is. We could play around with those questions and their answers to have the biggest emotional impact on these characters. 

レイの両親が誰かという質問で、答えを聞いたら「あれ?そうなんだ」となる。でも誰が気にするでしょう?確かに多くの人が気になっているのは知っています。だけど、それは衝撃的というよりもただ興味をひかれるということだけなんです。一方で、この世界で私の居場所はどこなの?私はどこから来た?私の帰属すべきところはどこ?こういった質問に対しては、その重みを私は理解しています。私たちはこのような疑問を色々考え、キャラクターにとって感情的に一番衝撃的な答えを用意することができました。

 レイの両親についての答えは、当然ライアン・ジョンソン監督は明言をさけている。興味深いのは、単純にレイの両親が誰かという質問は、ただ興味をひかれるというだけであって、強い影響力を及ぼすものではなく、もっとキャラクターの感情を掘り下げるうえで、自分の世界の中での位置づけや、所属すべき居場所、つまりキャラクターのアイデンティティーの確立にあたって重要な問題に焦点を当てて物語を作ったと言っている点である。

 ライアン・ジョンソン監督の言っていることは確かに正しい。レイの両親が誰かというのは、確かに興味をひかれる内容ではあるけれども、それはきっかけに過ぎなく、重要なのはレイがどのような物語を通じて成長していくかだろう。その点を、ライアン・ジョンソン監督は真摯に答えている。

 一方で、このインタビューが示すようにレイの両親については、私はとくに衝撃的なカミングアウトはなく、むしろ誰もが予想できるものである可能性が高い、と思っている。先にあげたデイジー・リドリーのインタビューの答えにも感じられたことだが、レイの両親が誰かという質問に対してインパクトな答えを用意することは、重要ではないと製作陣が考えているからだ。

 それは間違いなくレイに変化を与えることではあるが、それが物語の終わりではないからである。

 

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コメントから見えてくること

 ここまでレイの両親について製作者サイド(キャサリーン・ケネディー、J.J.エイブラムス、ライアン・ジョンソン)そしてレイを演じたデイジー・リドリーの主要なコメントをみてきた。実は、このようにして見ていく大きく三つのことがわかる。 

 一つ目は、キャスリーン・ケネディは新三部作を新しいスカイウォーカー家の物語と位置づけていること。そして、二つ目は、デイジー・リドリーは、一貫してレイの両親に関する答えは『フォースの覚醒』の中で明らかになる、あるいは明らかになっている、と発言し映画公開の前も後もそう信じていること。

 最後に、三つめは、J.J.エイブラムス、ライアン・ジョンソンの両監督は、レイの両親についての発言について明言を常に避けていることだ。

 では、これらから考えるレイの両親の正体は誰であり、製作側はどのような構想をもってレイの物語をつくろうとしているのだろう?

 実はこれらの発言からわかるのは、レイの両親については、はっきり決まっていないという事実である。いや、この言い方は少し語弊があるので、言い換えると、確かに『フォースの覚醒』で答えは一つ用意されている。しかしそれが最終的な答えになるとは限らず、変更される可能性もあり、製作側も十分変更できる余地を考慮した脚本に仕上げている、ということである。

 我々は、新三部作の製作にあたって、レイというキャラクターに関するすべてのこと、プロットはあらかじめ決められており、その通りにすべての作品が作られると思い込んでいる。そして、それを前提に「レイの両親はダレダレである」という話をする。しかし、それは事実ではない。物語を作る過程で、このような設定は色々と変わりうる、あるいは変えざるを得なくなることがあるからだ。

 では、それはどういうことか?それについては、また次回の続編でまとめようと思うが、ディズニーがルーカスフィルムを買収し、『スター・ウォーズ』というメガコンテンツ・フランチャイズを展開しようとしたときに、何を一番気にするかということに関わってくる。

 

※2017/10/28 追記:本記事の続きを書きました。続きは以下からどうぞ! 

www.lakestarwalker.com

 

基本情報:『スター・ウォーズ/フォースの覚醒

[作品データ]
原題:STAR WARS: The Force Awakens
製作年:2015年
製作国:アメリ
製作会社:ルーカス・フィルム、バッド・ロボット・プロダクションズ
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
上映時間:136分

[スタッフ]
監督:J・J・エイブラムス
脚本:ローレンス・カスダンJ・J・エイブラムスマイケル・アーント
製作:キャスリーン・ケネディJ・J・エイブラムス、ブライアン・バーク

[キャスト]
ハリソン・フォード
キャリー・フィッシャー
デイジー・リドリー
ジョン・ボイエガ
アダム・ドライバー
オスカー・アイザック ほか

 

スター・ウォーズ/フォースの覚醒』をもう一度みよう!