StarWalker’s diary

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『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』:アダム・ドライバーの「レイ=プリンセス」ネタバレ発言の意味

 今年12月に公開される『スター・ウォーズ』映画最新作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』。先日、10月30日には日本版本予告編が公開されましたが、カイロ・レンを演じるアダム・ドライバーが、アメリカの男性ファッション雑誌のインタビューで、レイの正体に関するネタバレと思われる発言をしており、注目を集めています。この発言の意味を考えてみました。 

 

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「この姫の隠された正体」の意味とは?

アダム・ドライバーの言う「姫」は本当にレイのこと?

 アダム・ドライバーは、男性ファッション雑誌GQの2017年12月号の中のインタビューで以下のように語っている。

You have, also, the hidden identity of this princess who's hiding who she really is so she can survive and Kylo Ren and her hiding behind these artifices

それに、この姫の隠された正体もそうです。彼女は生き延びるため、その正体を隠しているのです。カイロ・レンも彼女も、策略の裏にその身を隠しているのです。  

 ここでアダム・ドライバーが言う「姫」というのがレイのことを指していて、さらにレイを姫と呼んでいることから、レイが王族の血統に生まれた姫君ではないのか?という予想がでている。

 しかし、このインタビューをよく読んでみると案外大したネタバレでないことがわかる。アダム・ドライバーが言葉を間違ったと思いませんが、GQ紙が「ネタバレ注意!」と書いていたこと、脈絡なくインタビューの中で「姫」という言葉と「正体を隠している」というコメントが出ていたことで、コメントを見たファンが騒いでしまったというのが真相で、すばり、彼の言っている「姫」とはレイア姫(現・将軍)のことだ。

スター・ウォーズ』で唯一「姫」であるのはレイアだけ

  そもそも、スター・ウォーズ』世界で「姫」と言及されている登場人物はレイアしかいない。そして、わざわざ『フォースの覚醒』では冒頭シーンでレイアが姫であることが強調されている。

 ロア・サン・テッカ:「将軍?あのお姫様のことか?」

 ポー・ダメロン:「ええ、そのお姫様です」

  C-3POだって、昔の癖と名残で「将軍」でなく「姫」と呼んでしまうのである。

 インタビューのコメントは、終始アダム・ドライバー演じるカイロ・レンのキャラクターについてである。上記の「この姫の隠された正体」発言の前後では、カイロ・レンの複雑なキャラクターについて語り、後半は、キャリー・フィッシャーの追憶と、彼女との共演の話、最後に前作で父であるハン・ソロを殺したことについてどう感じたか、を述べており、すべてカイロ・レンと自分自身の話しかしていないのだ。

 ここでいう「姫」とはレイアのことを指していることは明らかだ。

策略の裏にその身を隠している

 映画『スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒』の6年前を描いた小説『ブラッドライン』(原題:Bloodline)の中で明かされたこととして、レイアがダース・ヴェイダーの娘であることは秘密としていたのだが、元老院の権力闘争の中で、その正体がばれてしまうという出来事があったことが書かれている。

 レイアは息子のベン・ソロにもそのことを秘密にしており、時が来たら話すつもりであったその事実を、予期せぬ形で知らされたベン・ソロは、その後スノークに誘惑されて暗黒面に落ちるのだ。スター・ウォーズ旧作品はどうしてもルーク視点で見てしまうが、レイアにとっても悲劇の物語だ。ヴェイダーの娘であり、自分の息子もまた悪に染まるのだ。そして何より自分はその悪の軍隊との戦いの指導者である。レイアは自分がヴェイダーの娘という正体を隠しているのと同様、カイロ・レンの母親であることも隠しているに違いないのだ。

 すなわち、『最後のジェダイ』でのレイアも、自身の正体を「生き延びるため、その正体を隠している」のであって、この発言を素直に読めば、レイでなく、レイアのことを指していることは疑いない。 

『最後のジェダイ』では母親と息子の物語が展開する。

 『最後のジェダイ』では、母親であるレイアと息子カイロ・レンの物語が展開します。前作では父親ハン・ソロと息子カイロ・レンの物語であった。父を自らの手で殺した息子を、母親は救えるのだろうか?この家族の物語が『最後のジェダイ』になる。そして、一方でルークとレイは父と娘の物語を紡ぐ。キャサリーン・ケネディが言った「『スター・ウォーズ』がスカイウォーカーの家族の物語である」とは、こういう意味であるのだ。

 気になる方は記事の終わりに、GQ(Gentlemen's Quarterly)へのリンクを貼ったので前後の文脈を読んで考えて頂けるよよいだろう。 

 

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レイ=姫説を考える

  ちなみに・・・ここで終わってもつまらないかも知れないので、アダム・ドライバーの言う「姫」がレイだとしたら何が考えられるかも考えてみました。

ほんとにハンとレイアの娘?

 「レイが姫」はどういう意味だろうか?一番多かった意見、コメントは、姫という言葉どおりレイの正体は王家の末裔なのではという意見だ。であるならば、まっさきに思い浮かぶのはレイア姫のことに他ならない。すなわち、ハンとレイアの娘説である。(正確を期すならば姫である条件としては、レイアの娘ということであり、必ずしもハンの娘でなくてもよいのだが、さすがにそんなことを描くとは思えないのでその点は基本的に考えない)

 レイアとレイは互いに出会ったことのないことは、J.J.エイブラムス監督のコメントでも明らかにされており、私は『フォースの覚醒』以前にハンとレイも互いに出会ったことはないと思っているので、私はレイがハンとレイアの娘である説を支持しない。 

 『フォースの覚醒』の中でレイが待っている家族は「もう戻ってこれない」「探しているものは過去でなく未来にある」とマズに言われているレイなのに、それがハンとレイアではおかしいだろう。彼らは普通にレイの前に現れているのだから。

 さらに、カイロ・レンはレイに対して「ハン・ソロを父親のように思っているな。お前には父親がいない。」と告げているため、ハンが父親ではありえない。

 なので、ハンとレイアの娘説はないだろう。

 ちなみに、私はレイがこれまで登場していない王族の末裔として登場する可能性はかなり低いと思っている。 

ディズニー・プリンセスの例から検証する

 では、プリンセスとはどういう意味だろう?一旦、立ち止まって考えて頂きたいことがある。インターネット上では、多くの人が「レイが姫だから王族の血統だ」と言っているように思うのだが、姫、プリンセスだからといって王族の血統である必要はないのだ!これはレイだけに例を挙げて(失礼!)説明した方が早いだろう。例として以下のことを考えてみたい。

 プリンセス物と言えば、やはりディズニーだろう。では、いわゆる「ディズニー・プリンセス」と呼ばれるヒロインのうち王族の血統をひいているものは何人いるか?を考えてみよう。ディズニー公式のディズニー・プリンセスと言われている白雪姫、シンデレラ、オーロラ姫、アリエル、ベル、ジャスミンラプンツェルについて例を出す。

 

 ・白雪姫:「白雪姫」(1937年)のヒロイン。王女

 ・シンデレラ:「シンデレラ」(1950年)のヒロイン。非王女

 ・オーロラ姫:「眠れる森の美女」(1959年)のヒロイン。王女

 ・アリエル:「リトル・マーメイド(1989年)のヒロイン。 王女

 ・ベル: 「美女と野獣」(1991年)のヒロイン。非王女

 ・ジャスミン 「アラジン」(1992年)のヒロイン。 王女

 ・ラプンツェル 「塔の上のラプンツェル」(2010年)のヒロイン。 王女

 

 確かに王族の血統をひいているものが多いことは事実だ。しかし全員ではない。シンデレラとベルは王家出身ではない。ここには載せていないところでは、「ムーラン」(1998年)のファ・ムーランや 「プリンセスと魔法のキス」(2009年)のティアナも非王女である。

 しかし、彼女らは王女でなくても、プリンセスと呼ばれる。なぜか?それは英語で「princess」は「王女」の意味もあるが「妃」も同じ「princess」だからである。すなわち「王子」「prince」の配偶者であれば、自分が王族の血をひいてなくてもプリンセスなのだ。

 シンデレラやベルは、物語の最後で王子と結婚したからプリンセスになるため、ディズニー・プリンセスなのだ。(そういう意味でいえば、ファ・ムーランの恋人はリー・シャンで王子でなく、その意味でいえばプリンセスでなく、いわば「ただの女性」なのであるが、プリンセスと呼ばれているだけ)

 我が日本国の皇族でも、皇太子徳仁親王の妃である雅子様は、英語では「Masako, Crown Princess of Japan」となりプリンセスである。もちろん雅子様は小和田家のご出身であり出身は皇族ではない。モナコ大公と結婚した女優のグレース・ケリーも出自は一般人だが、モナコ公国大公妃となり、英語ではプリンセス・オブ・モナコになる。

もしかすると・・

 でも、レイは王子と結婚しているわけでなく、妃でないではないか?と反論はもちろんあろう。だが、考えて欲しい。

 この発言をしたアダム・ドライバー演じるカイロ・レンは誰の息子であったか?

 そう。ベン・ソロはレイア姫の血をひく王子、プリンスなのである。では、カイロ・レンとレイが、後々の物語の中で恋人となった場合は、どうなるだろう?そうだ、その場合、レイはプリンセスになるのだ。

 さてさて、なんだか思いがけない展開も予想されそうな話になってきたようである。もしかすると・・予期しなかったラブ・ロマンスもありえるのだろうか!?

 実はあながちありえなくない説であり、ファンが「レイロ理論(Reylo Theory)」と呼ぶものだがその可能性の是非はまたどこかで書こうとおもう。 

まとめ

 もっとも、そこまで行かなくても、『スター・ウォーズ』はおとぎ話であり、神話であり、そのヒロインがプリンセスと呼ばれてもおかしくない。シンデレラやベルは確かに最後に王子と結婚するので「正式に」プリンセスになるが、ディズニー映画の女性主人公はプリンセスと呼ばれても不思議ではないだろう。

 女の子はみんなプリンセスになりたいのだ。レイという『スター・ウォーズ』の素敵な女性主人公を「プリンセス」と呼んでもおかしくはないだろう。

 いずれにせよ、アダム・ドライバーの言う「姫」とはレイアのことであり、この発言をしたアダム・ドライバーも、姫と呼ばれているデイジー・リドリーも、今頃おかしくて笑っている、と思うのは私だけだろうか。

 『最後のジェダイ』公開前で「もういくつ寝るとスターウォーズ ♪♪~」気分の状態ファンとしては、色々飛びついてしまうのはわかるが冷静になることも大切ですね(私も含めて笑)。

 アダム・ドライバーとカイロ・レンよ、フォースと共にあれ・・

 

出典:GQ(Gentlemen's Quarterly)

www.gq-magazine.co.uk

   

参考

    私が考えるレイの正体は他の記事でもだいぶ書いているので省きます。興味のある方がいたら以下のリンクなどをお読みいただければ、私の考えるレイの正体はお分かりいただけると思います。

 

www.lakestarwalker.com

www.lakestarwalker.com

  

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