StarWalker’s diary

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スター・ウォーズ新三部作の謎解き~3~:エピソード9で描かれるのか?スノークの正体と死の謎

 スター・ウォーズ新作の話題は、いよいよ6月に公開される『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』でもちきりという感じではありますが、一方で、スター・ウォーズ新三部作はいよいよエピソード9の製作に入ろうとしています。

    新三部作の完結編となるエピソード9では、「光と闇」の再合致というエンディングを向かえることを表しているのでは?ということを前回書きました。

 今後の記事では、これまでの数々の伏線がどのように完結を向かえるのかを考えてみたいと思いますが、エピソード9の物語を考えるにあたり、カイロ・レンによって倒されてしまった最高指導者スノークについて残された謎についてまずは考えてみます。

《!以後、『フォースの覚醒』『最後のジェダイ』のネタバレを含みます》

 

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 はじめに

 本記事は、『スター・ウォーズ新三部作の謎解き~1~:なぜ新三部作は「光と闇」の話に生まれ変わったのか?』から続くシリーズ記事になります。直接この記事にやってきた方は、こちらの記事をお読み頂いてから読み進めていただくのが良いです。

《新三部作の謎解き~1~を未読の方はこちらから》

www.lakestarwalker.com

 

『最後のジェダイ』で残されたフォースの謎

スノークは再び蘇る?

 スノークは、『最後のジェダイ』でカイロ・レンとレイによって殺されてしまった。だが、本当にそうなのだろうか? 

 私は、スノークはその肉体を失ったが、エピソード9で再び復活することも十分に考えられるのではと思っている。 そして、それは、突飛な発想のように聞こえて、これまでのスター・ウォーズに描かれてきたことの延長で考えてみれば、比較的自然な考えだとも思う。 

 ジェダイはフォースと一体となることで、ある意味で不死となることができる。

 これは『新たなる希望』で最初にオビワンの死によって描かれた後、『ジェダイの帰還』においてヨーダの死を描く際に引き継がれた。また、この奥義は、オビワンの師であるクワイガンが発見したものであり、これによってオビワンやヨーダや、それ以降のジェダイは、フォースの霊体として登場する死者との対話が可能になったのである。

フォースの霊体化と肉体化

 このことを踏まえると、逆にこのように考えられないだろうか?

 すなわち、シスは、このジェダイとは逆の奥義を見つけたのではないか?と。すなわち、シスは自らの意志をフォースと一体化したのちに、現世における肉体に再び宿ることで、現世において不死を得る術を身につけたのではないだろうか。

 つまり自身のフォースを宿主として、宿として現世に存在する肉体を通じて復活するのである。ジェダイはフォースと一体となることが出来た。だが、フォースの霊体は、そもそもフォースに対する感応力が強くなければ、その姿を確認することはできないものであり、劇中で描かれる青白い姿は、現世に蘇った姿ではなく、あくまでも霊体である。

 実際に、当初、死んだオビワンの声だけしか聞こえなかったルークは『帝国の逆襲』そして『ジェダイの帰還』と、彼のフォースが強くなるにつれて、徐々にオビワンの姿をはっきり確認できるようになっていった。

 だが、この霊体としてフォースの一部として存在している自己の存在を、物理的な肉体として再生させることで、現世に復活できる術があるとしたらどうだろう?

 すなわち、霊体化でなく肉体化するのである。

 ジェダイは霊体化の奥義を発見したが、シスは肉体化の奥義を発見したとしたら、ジェダイによる霊体化とシスによるの肉体化、この二つの奥義が合わさることで、すなわち輪廻転生がなり、環が閉じることになるのだ。

 そして、これこそが、『シスの復讐』の中で、いわゆるダース・プレイガスが見つけたという「不死を得る術」「死から人を救う術」なのではないか?

  更にそして、すなわち、スノークこそがそのダース・プレイガスであると考えたらどうだろうか?

 

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エピソード9で果たしてスノークの謎は明かされるのか?
 ダース・プレイガスの語った不死

 ジェダイとシスはフォースの光明面と暗黒面をそれぞれ追求するだけでなく、別々にフォースの真理を探究した結果、それぞれ別の側面からこのフォースの真理に辿り着いたのではないか?

 スノークのビジュアルは、これまでのシス卿と少し異なる。肉体が朽ち果てているようにも見えるが、瞳は透き通った水色であり、これまでのシスが黄色の邪悪な瞳とは違う。さらに言えば、その瞳は若々しく生命力の強ささえ感じる。またその顔は少し女性らしさも合わせ持っているようにも見えるのである。

 スノークは、シスとしてフォースの暗黒面の力を肉体化を体現した存在なのかもしれない。

 すなわち、スノークの外見はなんでもなく、彼の実態はすでにフォースと一体化した暗黒面の力を持つ存在であり、肉体に宿ることで現世に存在しているアバターのようなものなのではないだろうか?

 ダース・プレイガスは、一度その弟子であるダース・シディアスパルパティーン)によってその肉体を破壊された。

 だが、その後、蘇ったのだ。最高指導者スノークという形で。だから、スノークの肉体はダース・プレイガス本人がもともと持っていた肉体ではない。しかし、その魂こそがダース・プレイガスだと考えられないだろうか? 

 

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疑問が残るスノークの死 

スノークの目的

 最高指導者スノークの目的は何なのか?

 彼としては銀河覇権掌握したいわけであり、レジスタンス壊滅せしめることが彼の最終目的だ。だから、ジェダイ滅亡、スカイウォーカーの殺害と銀河の希望を排除したいわけだ。

 ここまでは良いだろう。

 では、カイロ・レンに対してはどう思っているのだろう?スノークは、カイロ・レンを嗾けてルークとジェダイを根絶やしにするための道具にしたいのは明白だ。逆に言えば、スノークはカイロ・レンをそのための道具としか使ってない。

 スノークは、カイロ・レンに「あのような小者(ここではハックスを指している)を何故用いるかわかるか?」とわざわざ問いかけ、さらに「小者もうまう使えば切れる道具になる」と言っている。

 あなたの上司が部下をこのように見ているとしたら、それはあなたもそう思われていると思った方がいい。ある部下を道具としてしか見ていない部下が、ほかの部下を特別視しているわけはない。

 だから、当然、スノークはカイロ・レンを「小者だがよく切れる道具」として見ていないことは明らかだ。

 ハン・ソロは見抜いていたが、カイロ・レンは、祖父が果たそうとしたジェダイの抹殺という事業を引き継ごうとしているのだが、スノークはこのカイロ・レンをうまく利用しているに過ぎない。 

カイロ・レンの訓練

   『フォースの覚醒』において、スノークは、レイを連れてこいと命じるが、この時、カイロ・レンの訓練を終わらせるともいう。

 だが、『フォースの覚醒』の劇中で、スノークが命じた「レイを連れてこい」という命令の意図は、『最後のジェダイ』の時とは異なる。なぜなら、この時、レイはまだスカイウォーカーのもとへは出発していない。

 旧三部作で、皇帝はルークを暗黒面へ引き入れるのが目的だった。なぜなら、ルークは体が半分機会と化してしまったヴェイダー卿よりも、あの時点で強大なフォースの使い手であったからだ。

 ルークにヴェイダーを倒させ、悪に転向させて自分の右腕とすることが、皇帝の目的であったのだ。

 スノークにしても、今の弟子よりも強いフォースの使い手が現れたなら、これを暗黒面に引き入れ右腕として使いたいと思うのは自然だろう。

    だから、『フォースの覚醒』の最後のシーンにおいて、スノークがレイに興味を示したのは、そのフォースの強さを見たかったからという動機しかない。

 しかし、『最後のジェダイ』では、これに加えて、レイからルーク・スカイウォーカーのことを聞き出すのが一つ目の目的になっていた。そのために、スノークはわざわざ、カイロ・レンとレイを結び付けて、レイを自分の前に呼び寄せたのだ。

 二つ目の目的は、カイロにレイを殺させ、カイロ・レンを用いてジェダイの抹殺というダース・ヴェイダーが成し遂げた事業を引き継がせ、彼の暗黒面落ちの訓練を完成させることだ。

スノークの本当の目的とは?

 だが、本当にこれだけだったのだろうか?  

 スノークは、カイロ・レンを唆し自らを殺させたと考えられないか?  そもそもシスの歴史を紐解けば、弟子の裏切りはたえたことがない。憎しみ、怒りの感情からくる暗黒面を力の根源とする限り栄枯盛衰、盛者必衰の理のあるだけだ。

 師と弟子という「二人の掟」を守る限りにおいて、必ず師は倒されるのだ。

 スノークがこのことを知っていなかったはずはない。スノークは『フォースの覚醒』の小説版の中で、はっきりと彼が「帝国の勃興と終焉を見た」と語っている限り、ダース・プレイガス、ダース・シディアスダース・ヴェイダーと続くシスの歴史を知っている。

 そして、仮にスノークが、ダース・プレイガスだとしたらどうだろう?

 逆に、ダース・プレイガスはこの事をよく知っていたからこそ、自らが倒されても復活できるように不死の術、自らをも死から救う奥義を追求したとも考えられるではないか。

 彼は一度、ダース・シディアスに殺されている男だ。仮にスノークが、ダース・プレイガスだとすると、同じようにむざむざ殺されるような過ちは犯さないはずであろう。

 つまり、スノークは、より強大な存在になるために、わざわざ、カイロ・レンを惑わし自らを殺させたと考えたらどうだろうか?

 スノークは、カイロ・レンの心に付け込んで、カイロ・レンとレイを結び付けることが出来るほどの力を持っている。だが、肉体が存在すれば、少なからず物理的な制約を持つことになる。

 スノークは、あくまで、ファースト・オーダーの最高指導者として君臨するために、スノークには物理的な肉体が必要であった。だが、もはや彼がそれを必要としないと考えたらどうだろうか?

 オビワンはヴェイダーによって倒されて霊体化したし、ヨーダの場合は自然死であった。シスとて霊体化の仕組みが同じであるならば、再び霊体化するには、殺されるが肉体が自然死するしか方法がないとしたら、スノークは自らを誰かに殺させる必要がある。 

 だから、スノークは不要となった肉体を一度捨てて、より強大な存在として君臨するためにカイロ・レンに自らを殺させたのではないだろうか。

 

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最高指導者スノークはカイロ・レンに自らを殺させた?
スノークの台詞の謎 

 では、もう一度、問題のシーンのスノークの台詞を見てみたい。注目したいのは、スノークは台詞をそもそも誰に向かって話しているのか?という素朴な疑問だ。

I cannot be betrayed, I cannot be beaten. I see his mind, I see his every intent. Yes... I see him turning the lightsaber to strike true. And now, foolish child. He ignites it, and kills his true enemy!

私を裏切ることはできぬ。私を倒すことも。彼の心は読めておる。彼の意図もすべて。そうだ・・彼はライトセーバーの向きを変えて、まっすぐと目標を突き刺す。さあ、愚かな子供よ。彼がライトセーバーを起動する・・そして、彼の本当の敵を倒すのだ! 

  一見すると、カイロ・レンに向かって言っているように聞こえるのだが、原文のこの台詞では、ことあるごとにはっきりとhim、he、hisと言っている。もちろん、これらのhe, him, his が指し示すのがカイロ・レンであることは疑いない。

 そうなると、この台詞はカイロ・レンに向かって言っている台詞ではないことはお分かりだろう。カイロに向かって言うならば、「I see your mind」のように「お前の」というはずだからだ。実際に、この直前のシーンでも、以下のようにスノークはカイロ・レンに向けて発せられた台詞は「お前」と呼んでいる。

My worthy apprentice, son of darkness, heir apparent to Lord Vader, where there was conflict I now sense resolved, where there was weakness, strength. Complete your training and fulfill your destiny.

私の弟子よ、闇の息子、ヴェイダー卿の後を継ぐものよ。葛藤は消え、弱さは強さとなった。今こそ修行の成就の時・・お前の運命を果たすのだ!

 そして、この後のスノークの台詞で、レイに向かって彼はこういっている。

You think you can turn him? Pathetic child...

お前が彼を転向できるとでも思ったか・・哀れな子供よ・・

  この一連のシーンで、スノークが「子供」と呼んでいるのは、常にレイなのである。冒頭でレイとスノークが対面して一番最初の会話でも「近寄れ!」とレイに命じるスノークは「Come closer, child...」とレイを呼ぶのである。

 だから、哀れな子供よ、と呼びかけてから話すスノーク私を裏切ることは・・」から始まるくだりはすべてレイに向かって話していることだ。

 一見、カイロ・レンに向かって言っているように聞こえるこの台詞だが、そう考えるとこの部分がおかしいのはお分かりだろう。カイロに向かって言うのであれば、「お前の本当の敵を倒せ!」と命じて、レイを殺させるのが自然だからだ。

 だが、スノークははっきりとカイロ・レンでなく、スノークが「愚かな子供」と呼ぶレイに対して「カイロ・レンが彼の本当の敵を倒す」と言っており、これはすなわち、レイに向かって、カイロ・レンが本当の敵であるスノーク自身を倒すことを言っている台詞であると考えた方が自然ではないだろうか? 

まとめ

     前回の記事(スター・ウォーズ新三部作の謎解き~2~:エピソード9のワーキングタイトルが意味する「光と闇」の物語の結末とは? - StarWalker’s diary)で、1982年のファンタジー映画『ダーククリスタル』との共通点を書いたが、実はこの不老不死についても『ダーククリスタル』に描かれていることがある。

  『ダーククリスタル』に登場したスケクシス族は、特別な技術があり他の生命から、生命力(「生命のエキス」と劇中で呼ばれる)を抜き取ることができるのである。そして、この吸い取った生命力を使って若返ることができるという話なのだ。  

 また、永遠の命というものは、キリスト教の教義におけるものや、不死の存在が肉体に現れるというヒンドゥー教におけるアヴァターラの考え方、仏教の輪廻転生など非常に古くから宗教的な意味を持つものだ。

 したがって、これまで『スター・ウォーズ』で、ジェダイによる霊体化が描かれていながら、不死の存在が肉体の権化として出現するという肉体化が描かれないのかはむしろ不思議である。 

 そして、このスノークの一見あっさりとしている不可解な死の謎こそ、エピソード9と新三部作で描かれる「光と闇」の物語の終わりの重要な伏線になっているのではないか?と思うのである。