スター・ウォーズ新三部作は、『最後のジェダイ』の劇場公開が終了し、小説、DVD、ブルーレイの発売が話題になる一方、はやくもエピソード9の製作が始まろうとしています。新三部作の完結編となるエピソード9は、今年の7月末から撮影が開始するようです。撮影に向けたロケ地の選定が進んでいるようですが、これまでにわかってきたエピソード9のロケ地に関する情報をまとめます。
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ペルー
マチュ・ピチュ
現在、エピソード9は7月末の撮影開始に向けて、ロケ地選定や撮影のための準備などが行われていると思われる。ちらほらとエピソード9の撮影ロケ地の情報がリークしてきたようだ。
日本人でも観光客に有名な、ペルーの古代遺跡であるマチュ・ピチュ。どうやら、エピソード9の製作陣がロケーション候補に定めているようである('Star Wars: Episode 9': The possible planets featured in the film)。
マチュ・ピチュは有名な古代インカ帝国の遺跡だが、古代遺跡がエピソード9に登場するというのは興味深い。推測するに、例えば、どこかの惑星の古代ジェダイ寺院として登場する可能性が十分考えられる。レイやカイロ・レンが、エピソード9の中でめぐる新しい惑星のジェダイ寺院して登場するかもしれない。
あるいはまた、惑星オクトーの最初のジェダイ寺院とも考えられる。『フォースの覚醒』『最後のジェダイ』で、惑星オクトーの島は、アイルランドのスケリッグ・マイケル島で撮影されているが、惑星オクトーもあの島だけとは考えられず、例えば惑星オクトーにある他のジェダイ寺院として登場する可能性はあるのではないか?
マチュ・ピチュの写真を見ればわかる通り、高い標高の上にある石づくりの古代遺跡は、スケリッグ・マイケル島の古代ケルトの遺跡にも雰囲気がマッチするし、非常に魅力的な場所だ。
アメリカ合衆国
ユタ州・アーチーズ国立公園
ユタ州もロケ地に挙がっている。ユタ州は、ロッキー山脈、グレートベースン、コロラド高原という地形が特徴で、砂漠から松の森林に覆われた山岳部まで自然豊かな州だ。そのため国立公園(アーチーズ、ブライスキャニオン、キャニオンランズ、キャピトルリーフ、及び ザイオンの5つがある)が多く、日本からの観光でも有名だが、このうちアーチーズ国立公園がどうやらエピソード9のロケ地になっているという話がある('Star Wars: Episode 9': The possible planets featured in the film)。
アーチーズの名前の由来は、その名の通り、アーチ状に形成された砂岩の一枚岩が多数あることによる。興味深いのは、この場所が『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』の撮影が行われた場所で、ルーカスフィルムとは縁があることだ。おそらくだが、よく知っている場所ということで、今回新しいロケ地として選ばれた可能性はあるだろう。
スターウォーズは世界各地で撮影されており、特にエキゾチックな惑星は、辺境の惑星に相応しいチュニジア、ノルウェー、アイスランドなどアメリカ国外で撮影されているイメージだが、意外にアメリカ国内でも撮影されていて、例えば同じタトゥイーンでも、チュニジア以外でカリフォルニア州のデスヴァレー国立公園などでも撮影されているし、緑の月エンドアは、カリフォルニア州デルノルト群にあるセコイアの森林で撮影された。
これを考えると、アーチーズ国立公園での撮影に適した惑星として考えられるのが、ジャクーだ。ジャクーはアラブ首長国連邦のルブアルハリ砂漠で撮影されたが、ジェダイの帰還で再びルークの故郷であるタトゥイーンが登場したように、エピソード9でレイの故郷ジャクーが再登場することは十分に考えられる。
レイの住んでいたルブアルハリ砂漠とは別の場所ジャクーの他の場所の撮影ロケ地としてアーチーズ国立公園が選ばれている可能性は高いのではないか。
ユタ州・ザイオン国立公園
ユタ州のザイオン国立公園もロケ地候補にあがっているようである。ザイオン国立公園はアーチーズとならんでユタ州にある国立公園で有名だが、その風景はアーチーズとは少し異なる。
アーチーズが砂岩と荒涼な岩だらけの土地であるのに対して、ザイオン国立公園で有名な場所はザイオン峡谷だろう。長さ24キロ、深さ800メートルほどのザイオン渓谷は、ノース・フォーク・ヴァージン川によって削られた赤茶色の岩肌の壁が続く一方、ヴァージン川に沿って生い茂るネズやマツなどの針葉樹林が非常に独創的な場所である。
このような峡谷が登場するような惑星は、新三部作には登場しておらず、もしかすると新しい惑星として今回初登場する可能性もある。
アラスカ州・デナリ国立公園
アラスカ州のデナリ国立公園も名前にあがっているようだ('Star Wars: Episode 9': Producers scout new location to film)。デナリ国立公園は、北米最高峰であるマッキンリー山(デナリ)がある国立公園で、緑とまた標高の高いアラスカ山脈のツンドラが見られるとても自然の美しい場所だ。
デナリ国立公園についても、それ以上の情報はないが、ザイオン国立公園と同様に、緑の高原とは対照的に遠景に見える白い雪山の連なりという風景は、これまでのスター・ウォーズ世界に登場したことのない情景であり、なにやら新惑星の登場を予感させるものがありそうだ。
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ヨーロッパ
スコットランド・アーガイル
さらに、スター・ウォーズの最新映画のロケ地候補だろうとして注目されているのが、スコットランド北部のアーガイルだ。
当初、この場所はスコットランドのデイリーレコード紙が、ライアン・ジョンソン監督による新しい三部作のロケ地で2018年7月に撮影されると報じたものだ(New Star Wars movie to shoot scenes in Scotland next year - Daily Record)。
だが、そもそも、ライアン・ジョンソンの三部作は、この3月に入ってようやく物語の構想を考え出したというくらいなので、これはあり得ない。したがって、エピソード9の撮影地という可能性が濃厚だ。事実、撮影時期も7月ということで整合する。
スコットランドのアーガイルは、大西洋に面した総延長3,000マイルにわたる海岸線を持つ島嶼部があり、緑と水に溢れた自然豊かな場所であり、惑星タコダナのマズの城のあった湖水地方を思い起こさせる。タコダナはイングランド北西部カンブリアの湖水地方で撮影されている。
また、このスコットランドのアーガイルには、有名なストーカー城がある。タコダナでマズの城として中世イングランドを思い起こさせる城が登場したが、エピソード9で再びあの世界観が描かれるとしたら、アーガイルがロケ地に選ばれているのは納得がいきそうではないだろうか。
スペイン・トルカル・デ・アンテケラ
また、スペインもロケ地候補として挙がっているようである(Star Wars Episode 9 News & Update! - YouTube)。具体的にはスペインのトルカル・デ・アンテケラというトルカル自然保護地区(トルカル・デ・アンテケーラ - Wikipedia)らしい。名前を聞くまで知らなかったが、どうやらヨーロッパ有数のカルデラ地形で有名な場所だということだ。
また、アンテケラ近郊の支石墓遺跡群は「アンテケラのドルメン遺跡」として世界遺産登録されている場所でもある。
この支石墓遺跡群の写真は、非常に面白く、惑星オクトーが撮影されたスケリッグ・マイケル島の古代ケルトの遺跡とも似た外見を持っており、映像的にも親和性が高いように見える。
また、別にマチュ・ピチュがロケ地として挙がっていることと合わせて考えてみると、エピソード9では惑星オクトーでも、これまで描かれなかった新しい場所や、新しい惑星のジェダイ寺院として、これらの場所が登場する可能性が高そうだ。
まとめ
ロケ地については、まだ候補地探しというところだと思われ、ここで紹介した場所がすべて物語上の別の惑星や場所として登場することは考えにくいかもしれません。しかし、7月末からいよいよ撮影が始めるということでもあるので、徐々にこれらのロケ地の情報も、より明確かつ詳細なものが出てくるだろうと思われます。
これは、あくまで私の個人的な感想ですが、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は、映像美として美しいシーンは要所要所にあったものの、レジスタンスのドラマは宇宙船の司令室の中や、緊迫感のないチェイスシーンが主で、惑星クレイトもロケーションとしては素晴らしい場所でありながらも、戦いと基地内でのシーンに費やされていて、スター・ウォーズの持つ辺境の惑星のファンタジー感とリアル感をあわせもつ独特のエキゾチック感は『最後のジェダイ』では薄かったように感じます。
J・J・エイブラムス監督は、エピソード9について、次のように語っている。このうち「行ったことのない場所に連れて行く」という言葉は、当然映画の物語そのものを未知なものにしたいというほかに、当然ながら言葉通り、これまでに描かれたことのないスター・ウォーズ世界における新しい惑星や場所を登場させ、観客にとって未知の世界を描きたいというJ・J・エイブラムス監督の想いに聞こえる。
I feel like we need to approach this with the same excitement that we had when we were kids loving what these movies were and, at the same time, we have to take them places that they haven't gone, and that's sort of our responsibility.
僕たちは自分たちが子供のころにスター・ウォーズを愛した時に持っていたおんなじ情熱をもって取り組まないといけないと思っているよ。同時に僕らはこの映画をまだ経験したことのないところへ連れて行かなければいけない。そんな責任を担っている。
エピソード9では、新三部作の最終章に相応しく、スケール感も大きな物語として、これまで登場してこなかった異国情緒でスター・ウォーズの世界の雰囲気を持った魅力的な新しい惑星の登場をぜひ期待したいところです。