StarWalker’s diary

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『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の謎解き~モーガン・ル・フェイか?パールヴァティか?最高指導者スノークの正体の謎~

 スター・ウォーズ最新作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は絶賛公開中です。前作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』に残された謎はどこまで明らかになるか期待していましたが、まだまだ謎のままにされたことも多い話でした。

 逆に言えば、以前から投稿している「スター・ウォーズの謎解き」シリーズの続きはまだまだネタが尽きることとがない!ということで引き続きよろしくお願い致します。

 しばらく、『最後のジェダイ』の物語に関する話題を取り上げていて、スター・ウォーズに関する神話ネタを出していなかったのですが、久しぶりに書きました。

 今回は、最高指導者スノークについて、その正体を探りたいと思います。

《!『最後のジェダイ』のネタバレを含む。未鑑賞の方は読まないでくださいね》

 

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スノークシヴァ神の化身なのか?

パールバティ神とスノークの意外な共通点とは?

 銀河皇帝でありシスの暗黒卿であったダース・シディアスこと、本名シーブ・パルパティーン(Sheev Palpatine)。彼の名前がヒンドゥー教の三神の一人であるシヴァ神とその配偶神パールヴァティに由来することを以前の記事(スター・ウォーズの謎解き~3~:ヒンドゥー教の三神一体とアーサー王物語から読み解くカイロ・レンの正体 - StarWalker’s diary)の中で述べた。

 ヒンドゥー教に登場するシヴァ神は、「宇宙の破壊/再生」を司るとされ、シヴァ神(Siva)とその配偶神であるパールヴァティ(Parvati)女神の二人の名前を合わせて、「シヴァ・パールヴァティ(Siva Parvati)」すなわち「シーブ・パルパティーン(Sheev Palpatine)」となる。 

 では、スノークもフォースの暗黒面を司るものとして、パルパティーンのようにヒンドゥー教の三神の一人であるシヴァ神の化身として、そのキャラクターを見てみたらどうだろうか?

 これを解くためシヴァ神の配偶神であるパールヴァティが何者かであるかをみてみたい。

 パールヴァティは、ヒンドゥー教の女神で、その名前は「山の娘」の意味である。なぜなら、彼女はヒマラヤ山脈の山神ヒマヴァットの娘とされ、ガンジス川の女神であるガンガーの姉とされる。そして子に軍神スカンダ、学問の神ガネーシャを持つ。そして、ここが重要な点だが、パールヴァティは金色の肌を持つとされる。

 実は、パールヴァティ―はもともと黒色の肌をしていたが、そのことを夫のシヴァ神に非難されて恥じた彼女を哀れんで、ブラフマーシヴァ神ヴィシュヌ神と並んでヒンドゥー教の神の一人。宇宙の創造神とされ三神一体の一柱)が彼女の肌を金色に変えたと言われる。また、この時パールヴァティがもともと持っていた黒い肌はカーリー(血と殺戮をつかさどる戦いの女神)になったとされる。

 さて、『フォースの覚醒』ではホログラムでしか登場しなかった謎の存在であったスノークだが、スノークの前身の姿が『最後のジェダイ』で明らかになった。予告編でも登場していたので、映画を鑑賞されていない方でも予告を見た方にならば明らかになっているが、スノークは、金色のローブをまとっているのだ!

 そして、旧三部作における銀河皇帝パルパティーンは黒色のローブをまとっていたのは周知の事実である。

 すなわち、黒色から金色への変化である。

 シヴァ神シャクティとしてのパールヴァティの姿は、銀河皇帝パルパティーンからスノークに姿を変えて新三部作においても存在していると言えないだろか。

 

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シヴァ神の配偶神であるパールヴァティはもともと黒色の肌をしていたが、金色の肌に変えられたとされる。旧三部作における銀河皇帝に相当する最高指導者スノークは金色のローブをまとって登場していたのは面白い一致。

 

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最高指導者スノークモーガン・ル・フェイか?

黒魔術師、モーガン・ル・フェイ

  『スター・ウォーズ』新三部作とアーサー王物語の類似性については、過去の記事(スター・ウォーズの謎解き~1~:『フォースの覚醒』新三部作はアーサー王物語だ!類似性から読み解くレイの正体 - StarWalker’s diary)で取り上げた。

 アーサー王物語には、主人公であるアーサー王の宿敵が存在する。それは、モーガン・ル・フェイという魔女だ。

 モーガン・ル・フェイはアーサー王伝説に登場するアーサー王の宿敵で、物語の中で様々な形で、アーサー王と円卓の騎士たちを苦しめる。もともと、モーガン・ル・フェイは、初期の物語『マーリンの生涯』では、妖精として登場するが、トマス・マロニーによる『アーサー王の死』以降は、魔女とされてアーサー王の敵という設定がされた。

 ここで述べるモーガン・ル・フェイのキャラクターについても、これに基づいている。なお、モーガンの読み方は、モルガンとすることもあるようだが、ここではモーガンで統一している。

スノークはダーク・ジェダイか?モーガン・ル・フェイの共通点

 アーサー王物語におけるルーク・スカイウォーカーというジェダイ騎士に対する最大の敵は誰だろうか?旧三部作では銀河皇帝パルパティーンだったが、パルパティーンはルークの敵というよりも、アナキン・スカイウォーカーの宿敵である。新三部作はレイの物語ではあるが、レイに対する敵はカイロ・レンであり、ルークの敵は最高指導者スノークである。

 すなわち、最高指導者スノークこそが、『スター・ウォーズ』におけるアーサー王すなわちルークに対する宿敵モーガン・ル・フェイに相当するのではないか?

 モーガン・ル・フェイは、黒魔術を取得した妖女であり純粋なアーサー王を嫌悪し、色々と悪事を働いてアーサー王に対抗する。この黒魔術の使い手という設定は、スノークがフォースの暗黒面に通じていることと共通点がある。

 さらに、このモーガン・ル・フェイに魔術を最初に教えたのは、実はあの魔術師マーリンなのである。

 マーリンはアーサー王の助言者として有名であるが、ルークにも同じくオビワン・ケノービやヨーダのようなジェダイの師がおり、特にオビワンの人物設定は、ルーク=アーサー王に対するマーリンであることは一目瞭然である。

 スノークの過去はまだ明らかになっていないが、もしかすると、スノークもかつてジェダイの術を学び、悪に転じたダーク・ジェダイなのではないだろうか。

スノーク=女性キャラ設定も?

 新三部作製作時に持ち上がった話題の一つに、スノーク女性説があった。実際、『フォースの覚醒』製作時に、スノークを女性にするというアイデアも出ていたことは製作者側も認めている事実だ。パールヴァティも女神であり、またモーガン・ル・フェイは魔女であり、この線からも当初スノークが女性として検討されていたことは興味深い

 私は、これには少なからず、ディズニーによる『スター・ウォーズ』の主人公レイのディズニー・プリンセス化の影響もみられると思っている。もし、スノークが魔女であったら、『最後のジェダイ』はまさしく魔女に狙われたプリンセスをプリンスが救出して倒すという、ディズニーのプリンセス・アニメの王道をいく話になっていた。

 モーガン・ル・フェイはアーサー王物語の中で、3つの大きな役割を果たしている。そして、そのモーガン・ル・フェイに関する3つの出来事は、それぞれ『スター・ウォーズ』新三部作における最高指導者スノークの役割との類似点がある。

 

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アーサー王の宿敵モーガン・ル・フェイは、ルークの宿敵スノークか?

 

モーガン・ル・フェイとスノークの3つの企ての類似点

アーサー王と円卓の騎士の終焉を招いたモーガン・ル・フェイ

 彼女が働いた1つ目の、そして最大の悪事は、アーサー王エクスカリバーの魔法の鞘を盗んだことだ。これによりアーサー王はその力を失い、裏切った甥であるモルドレッドに敗れて円卓の騎士と王国の終焉を迎えるのである。

 モーガン・ル・フェイはアーサー王の王位簒奪を企て、アーサー王が持つ聖剣エクスカリバーの鞘をアーサー王から盗みだす

 エクスカリバーブリテン島の正当な統治者の象徴であり、その鞘は身につけていると傷を癒し不死の力を与えるという魔法の鞘なのだが、モーガン・ル・フェイがこれを盗んでしまったため、アーサー王はその不死の力を失ってしまうのだ。そして、これによりアーサー王は彼の甥のモルドレッドとの戦いで傷を負ってしまい、王国の崩壊につながっていく原因になるのである。

 アーサー王の甥のモルドレッドが、ルークに対するカイロ・レンであることは以前書いた通りである。『フォースの覚醒』では詳細は描かれていなかったが、カイロ・レンの裏切りによってルークの新ジェダイ騎士団は終焉する。

 カイロ・レンの裏切りによる新ジェダイ終焉のきっかけをつくったスノークアーサー王の宿敵、モーガン・ル・フェイとの共通点がある。 

ガラハッドの誕生のきっかけをつくった

 2つ目だが、モーガン・ル・フェイは、間接的にガラハッドの誕生のきっかけを作ったことになっている。ガラハッドの父であるランスロットは、モーガン・ル・フェイの魔法の力によって、捕らわれの身になっていた。モーガン・ル・フェイはランスロットが気に入っていたのだ。

 また、ガラハッドの母であるエレインも、彼女が国一番の美人であったためにモーガン・ル・フェイの嫉妬をかい、彼女に誘拐され捕らわれるのである。そして、ランスロットがエレインを救出したことで、最終的にガラハッドが生まれることになる。

 これを『スター・ウォーズ』に当てはめてみると面白い考察ができる。新三部作においてアーサー王の聖杯探求で活躍するガラハッドにあたるのはレイであることは以前の記事で書いた。

 レイの両親に関しては、『最後のジェダイ』で「名も無き普通の人たち」であることが明かされた。だが、レイがもつフォースの強さとレイの誕生の秘密はまだ謎も多いので真相はやはり不明なままである。

 アーサー王伝説で、アーサー王の命令を受けて聖杯を見つけ出すことに成功した、選ばれし者であるガラハッド、しかし、魔女モーガンがその両親を幽閉したという過去を持ち、その誕生に関わっているというのは、レイの両親の秘密を考えると、なかなか興味深い話である。

 だからというわけでないが、最高指導者スノークは、レイの誕生に関わっていないとは言い切れない。スノークの正体は不明だが、一番有力視されているダース・プレイガスが彼の正体だとしたら、レイを創造したのが、スノークであるという可能性もあるのではないだろうか?

ガウェインと円卓の騎士に挑戦する

 3つ目は、「ガウェインと緑の騎士」に登場する物語で、ベルシラックという騎士を魔法で緑の騎士(衣服、髪、皮膚、馬まですべて緑色の謎の騎士)にして円卓の騎士に挑戦する。この話はアーサー王の甥であるガウェインの物語に登場する「首切りゲーム」の話だ。

   これはこういう話である。

    ある時、円卓の騎士の前に、緑の騎士が現れる。この緑の騎士は、円卓の騎士の一人、アーサー王の甥であるガウェインに「自分の首を切ってみろ、それで私が無事だったら、それに相当する挑戦を受けろ」と言い挑発する。

    ガウェインは緑の騎士の首を見事に切り落とすが、緑の騎士は死ぬことなく無事であった。

 緑の騎士はガウェインに、一年後に緑の礼拝堂でガウェインの然るべく挑戦を待っているといい立ち去り、その後、言葉通りにガウェインは緑の礼拝堂を見つけるため旅に出る。

    緑の騎士の正体はベルシラックという騎士なのだが、彼はアーサー王と円卓の騎士に挑戦したいモーガン・ル・フェイにより姿を変えられていたのだ。

 ここに登場するガウェインとはアーサー王の甥だ。アーサー王物語においては、何人かアーサー王の甥が登場するが、モルドレッドと並んで有名なのがこのガウェインである。

 ルークの甥であるベン・ソロは、アーサー王の甥であるモルドレッドに近いが、素性を隠して、アーサー王の甥を密かに挑発して、円卓の騎士に挑戦するというのは、まさしくスノークがルークの甥であるベン・ソロを挑発して、新ジェダイ騎士団に挑戦したのと同じである。

 

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スノークの正体とは?

モーガンの出生から解く謎

 アーサー王物語において、アーサー王の宿敵と言われる魔女モーガン・ル・フェイ。しかし、彼女の素性は、ティンタジェル公ゴルロイスとイグレインの間に生まれた三女の末娘だ。そして、イグレインはユーサー・ペンドラゴンと後に結婚し、アーサー王を生み、アーサー王の母となるのだ。

 このアーサー王誕生の話は面白い。

 先にティンタジェル公ゴルロイスの妻となっていたイグレインだが、アーサーの父であるユーサーはこの美しい妻であるイグレインに惚れ込んでしまう。そして、ユーサーはマーリンの魔法の力でゴルロイスに変身し、ティンタンジェル城に乗り込む、イグレインと一夜を共にする。そしてアーサー王が生まれるのだ。

 これはあくまで物語であって、いくつかのバリエーションでは、ゴルロイスが死んだ後にユーサーがイグレインを妻としてアーサー王を授かるとしているものも当然ながら存在する。

 いずれにせよ、ティンタジェル公ゴルロイスとイグレインの間にできた娘であるのがモーガン・ル・フェイで、つまりアーサー王と母親は同じ、父親が違う異父姉であって、アーサー王とは遠くない関係なのである。

  つまり、モーガン・ル・フェイはアーサー王の対局に位置する人物だ。アーサー王モーガン・ル・フェイは、産みの母を挟んで左右対称の位置に存在する存在だ。すなわち、アーサー王の裏側がモーガン・ル・フェイなのであり、だからこそアーサー王の宿敵なのである。

 では、『スター・ウォーズ』にこの関係をあてはめて考えてみる。ルークの父親はアナキンであり妻はパドメであった。まがりなりにも『スター・ウォーズ』に登場するパドメが、どこかの国の女性政治家や芸能人のように不倫をしていました、という物語は作らないだろうと思うので、さすがにこの設定はそのまま描かれることはあり得ない。

 だが、スノークが、ルーク・スカイウォーカーの裏側と考えることができるのではないか?当然、ルークが実はスノークでした、ということを言いたいのではない。しかしルークの存在がスノークの存在を生み出したのではないか?ということは考えられないだろうか。 

スノークルーク・スカイウォーカーの対局

 フォースの概念において、光明面の存在は常に暗黒面の存在を必要とするものではないのだろうか?フォースの調和とは、すなわち光明面と暗黒面が同時に存在することで成り立つのではないか。

 劇中、スノーク自身が言うように、「闇が強くなれば、光がそれに拮抗する」としたら、逆もまた真なりで、「光が強くなれば、闇がそれに拮抗する」ものではないのか?

 これは、ルーク自身の言葉にもあるように「均衡(バランス)だ・・強い光には、強い闇」が伴うものに違いない。

 旧共和国において、ジェダイ騎士団はフォースの光明面のみをジェダイがライトサイドを追求した。そのためにフォースは必要となる暗黒面のみを追求したシスを生み出したのではなかったのだろうか?実際、ジェダイはシスの存在に気が付いていなかったが、シスはジェダイの存在の裏に隠れて、光明面とともに常に存在していたのだ。

 その最高の存在が銀河皇帝パルパティーンであり、パルパティーンは旧ジェダイ騎士団が長い間、追求してきた光明面に対する存在として、強力なシスの暗黒卿として誕生したと考えられる。

 アナキン・スカイウォーカーはこのフォースの不調和を解決するために生まれ、その目的を果たした。つまり、アナキンはダース・ヴェイダーとなって、ジェダイを抹殺したが、皇帝をも打倒し、自分もまた亡くなった。

 つまり、銀河から光明面の使い手であるジェダイ、そして暗黒面の使い手であるシスも滅ぼしてしまったのは、アナキン・スカイウォーカーなのである。

 しかし、ルークは、その後、旧ジェダイ騎士団が追求したように、光明面のみを追求しようとした新ジェダイ騎士団を作った。ルーク自身が強力な光明面の使いであったゆえに、その対極にあたる存在として、フォースは自然とそれと調和するように、暗黒面の集中がスノークを生み出してしまったのではないだろうか?

 だからルークの対極に位置するのはスノークであり、アーサー王に対するモーガン・ル・フェイと考えられるのだ。   

まとめ

  ルーク・スカイウォーカーの存在とスノークの存在。フォースの光と闇の調和という視点から見てみると、『最後のジェダイ』は実に面白い。『最後のジェダイ』において、なぜスノークとルークは死んでいったのか?そして、そもそも、なぜレイが誕生したのか?という謎が、このフォースの調和という視点で見てみると一つ一つ解けていく気がしています。私は私なりの解釈を持っていますが、ここから先はスノークの話からそれるので、また次回色々と書いていこうと思います。