StarWalker’s diary

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『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の謎解き ~なぜルークはレイの正体に気づかなかったのか?~【ネタバレ・考察】

 スター・ウォーズ映画最新作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は昨年12/15に公開、絶賛公開中です。『最後のジェダイ』はルーク・スカイウォーカーの物語でもありますが、この映画で描かれたルークの行動について劇中の描写からではわかりづらい謎も多いです。今回は、そのルークとフォースの謎について考えてみました。

 

《!以後、『最後のジェダイ』のネタバレ含む。未鑑賞の方は読まないでくださいね》

 

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はじめに

    『最後のジェダイ』は話があっちこっちとスピーディに展開するため、初見では気がつかないが、映画を見た後でよく考えてみるとルークとフォースに関して、色々と素朴な疑問が湧いてくる。私が少し考えただけでも以下のような疑問がわいてくるのだ。 

  • なぜハンの死を知らなかったのか?
  • なぜレイのフォースの強さを感じなかったのか?
  • なぜあの時になってヨーダが戻ってきたのか?
  • なぜカイロ・レンとレイの接触にギリギリまで気が付かなかったのか?
  • なぜルークはファーストオーダーと戦うのを拒否したのか?
  • なぜジェダイは滅びるべきと考えていたのか?

    今回の記事では、これらのルークに関する謎を考えてみたいと思う。

    なお、このうち、前半の3つの謎については、私が昨年末、『最後のジェダイ』の鑑賞後の感想として書いた記事(『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』はなぜ駄作なのか?私の率直な感想【ネタバレ】 - StarWalker’s diary)でも少し触れた。

 しかし、やはり疑問に感じていた方も多いようなので、この話題だけを取り上げて、別の記事として今回整理してまとめておこうと思う。なので、上記の記事を読んだ方には、一部内容が重なる部分があるかと思いますが、その点予めご了承頂きたいです。 

ルークとフォースの繋がり

なぜハンの死を知らなかったのか?

 ルークは、ハン・ソロがカイロ・レンに殺害されたという悲劇を知らなかった。劇中の描写で、ルークの小屋の扉を叩き開けて入ってきたチューバッカに対して、ハンはどこだ?と聞いた。

   これまでの『スター・ウォーズ』において、この描写は少し不思議だ。

 なぜなら、ルークほどのフォースの持ち主であれば、ハンの喪失についてフォースを通じて知ることができるし、むしろそうでないと不自然だからだ。

 実際に『フォースの覚醒』のおいて、レイアはハンの死を感じていた描写があったくらいで、いくら惑星オクトーにいるとはいえ、ルークであれば、ハンの死をフォースで感じることができないのはおかしいのだ。

 更に言えば、そもそもレイはフォースが強い。レイのような娘が、目の前に出現したのにもルークは、そのフォースの強さに気が付いていないのだ。レイは、自分を呼ぶフォースの声に気が付いて、ジェダイの古文書を収めた洞に向かい、そこでルークはようやくレイが普通の娘でないことに気が付くのだが、レイがそのことを自白するまで、レイが強力なフォースの使い手であることに全く気が付かないのだ。

 また、『最後のジェダイ』では、ヨーダが戻ってくるが、ここにも一つ疑問がある。そもそも、なぜヨーダはこのタイミングでルークの前に姿を現したのだろう?

  ルークは、現れたヨーダに対して「戻ってこられたのですね」という。さらにヨーダも「若きスカイウォーカーよ、会いたかったぞ」と言っており、二人の再会はかなり久しぶりなことが分かる。

 だが、惑星オクトーで隠遁生活をしているとは言え、ルークとヨーダの再会が、この時まで全くなかったというのは普通に考えて考えづらく、レイを失ったという今頃になってスカイウォーカーに助言をするヨーダも、普通に考えると遅すぎはしないか?と思ってしまう。 

 カイロ・レンとレイの接触についても不思議だ。ルークは、カイロ・レンとレイの接触に対しては、レイが惑星オクトーを去るその直前まで、まったく気が付いていない。しかも気が付いたらすぐに間に入ってレイがカイロ・レンに引き寄せられるのを止めているくらいなのに、なぜそこまでルークは二人の関係に気が付かなかったのだろう?

フォースから自分を閉ざしていたルーク

 だが、映画を詳しく見ていくと、これらの謎はきちんと解ける。

 これらは結局すべて、ルークがフォースから心を閉ざしていたことが原因なのである。注目したいのは、ルークとレイとの会話だ。

 レッスン1と称して、ルークはレイにフォースの概念を伝えようとする。瞑想をするレイが闇に落ちてしまったとき、レイはルークにこういう。「あなたの姿が見えなかった。あなたはフォースから心を閉ざしていた・・」

 つまり、ルークは惑星オクトーで、ただ隠遁生活をしていたわけではなく、フォース自身から自らを閉ざした生活を送っていたのだ。

 フォースと隔絶した生活を送っていたルークは、それゆえに、スターキラー基地でおこったハンの死も感じることができなかった。それのみならず、レイが強いフォースの持ち主であることにも気が付かなかったのである。

 こう見ると、レイとカイロ・レンの接触にルークが気が付いていないことの理由も明らかになる。

 レイとカイロ・レンの最初の接触時に、自分の小屋からルークは登場するのだが、この時にレイの異変に気が付く様子はなく、レイが「ブラスターが暴発した」という説明を全く疑っていない。

 ルークがカイロ・レンとレイの接触に気が付くのは、彼らが4回目に接触した時、すなわち、レイが両親の正体に衝撃を受け、孤独をカイロ・レンに打ち明ける時だ。

救いの言葉だったレイの言葉

 ルークは、レイにレッスン2として、ジェダイが滅ぶべき理由を明かす。その時、ルークはレイから「カイロはあなたを失望させた。でも、私はしません。」と宣言する。

 この感動的なシーンののち、ルークは日が沈んだ夜に、一人、寺院の頂上で瞑想して、レイアを呼ぶ。この時、ルークはフォースと再びつながるのだ。

 つまり、劇中、このシーンまでルークはフォースとは完全に隔絶しているのだ。

 ルークはレイにフォースを教えるとは言ったが、レッスン2でレイが「あなたがカイロを失敗したさせたのではない」という言葉を聞いたことにより、ルークはようやくフォースとの繋がりを取り戻すことを決心し、レイアに対してフォースで呼びかける。

 だから、この時まで、ルークは完全にフォースとの繋がりを取り戻す決心をしきっていないのである。

 こう考えると、このレイの言葉は、ルークにとって救いの言葉だったに違いない。カイロ・レンを悪に落としてしまった責任をずっと背負っていたルーク・スカイウォーカーという孤独な最後のジェダイの苦悩を思うと、おもわず涙が出る。

 そして、ようやくフォースと繋がりを取り戻したルークは、すぐさまレイの周囲の異変に気が付く。そして雨が降る中、寺院から小屋に戻ってきたルークは、カイロ・レンとレイの接触に気が付き、「止めろ!」「島を去れ!」とレイに言うのである。

 惑星オクトーを去ったレイ、それに失望したルーク。そして、その前にようやくヨーダが現れる。つまり、ルークがフォースとの接触を取り戻したから、ここでヨーダがルークの前に姿を現すことができたのである。

 

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ルークの葛藤

自身に対するジェダイ

 ルークはジェダイが滅びるべきと考えている。これは、劇中でも台詞で語られるので観客もわかることだ。だが、ルークがそれどころかフォースからも自分を隔絶して閉じこもっていた。

 これはなぜなのだろうか?これを考えるのに着目したいのは、ルークがジェダイとしての自分をどうように考えていたのか、という点だ。

 『ジェダイの帰還』で、ルークは父アナキン・スカイウォーカーダース・ヴェイダーの善への転向を信じ、皇帝のもとへ赴いた。しかし、自ら皇帝の挑発に乗り、いったんは暗黒面の力に触れ、父を倒す寸前までいったのがルークだ。

 しかし、踏みとどまったルークは、父と戦うことを拒否し、ライトセーバーを捨てる。「自分はジェダイである。かつて父がそうであったように」と。

 これを見た皇帝はルークを殺そうとする。それを見たヴェイダーが最後に息子を救うために善への転向を果たし、ジェダイは帰還したのだ。

 皆さんもご存知の『ジェダイの帰還』の物語である。

 この話を聞いた我々のルークに対する見方は、劇中のレイと同じだろう。すなわち、「ヴェイダーの光を信じ、彼を闇から救済したジェダイ、それがルーク・スカイウォーカー、伝説のジェダイである」と思っている

 では、ルーク・スカイウォーカーその人自身はこのことをどう受け止めていたのだろうか?

 惑星オクトーで、ルークはレイに対して「ダース・ヴェイダーを作ったのは一人のジェダイ・マスターだ」と言い放つ。しかし、レイはルークに対してこう言うのだ。「しかし、彼を救ったのもジェダイだ。善の力を信じ、ヴェイダーを悪から善に転向させた」と。

 このレイの台詞を聞いたルークの顔は、すっきりしない。どこか影がある。

 私は、もしかしたら、ルークという男は、このことについては自分の実績というよりも、逆にある種の負い目を常に感じていたのではないかと思うのである。

皇帝との戦いで得たものは?

 ルークはヴェイダーを転向させた、というのは結果的には事実だ。そして、それは最後まで父を信じていたルーク・スカイウォーカーというジェダイでしか成しえなかった偉業であることも事実だ。

 オビワンやヨーダは、ルークにヴェイダーを倒せとしか言わなかったのだし、そうしか考えていなかった。オビワンにいたっては、はっきりと「彼は人でなく、悪に歪んだ機械」ということさえ言っているのだ。これって、ツイッターに流れたものなら炎上必至の「人格否定発言」というべき暴言に近いぞ。

 ここで考えてみたいのだが、ルークは、ひょっとすると「ヴェイダーを転向させ、銀河内乱を終わらせたのは自分の力ではない」と感じていたのではないか?

 なぜなら、ルークはあの時、父へ助けを求めることしかできなかった。ルーク自身は皇帝の力に太刀打ちできずに負けていたのである。父は善に転向して、皇帝を倒した。皇帝を倒したのは、父アナキンなのであり、ルークではないのだ。つまり、ルークは皇帝との闘いにおいては完全に負けていたのである。

 父は息子を救うために転向したのだが、ルークは、このことについて「父を救ったのは私ではない。父自身が自ら転向したのだ。自分は皇帝に太刀打ちできなかった。」と考えていたとしたらどうだろう?

 しかも、世間、全銀河は、ルークを銀河を帝国から救った男として伝説として祭り上げているのだ。ルークは、自分は作り上げられた伝説でしかない、という負い目を感じながら常にいたのではないのだろうか?

 旧三部作でのルークは、挫折を知らない青年だった。

 逆に言えば、だからこそあの銀河皇帝でさえも恐れることはなかったのだ。これは新三部作におけるレイと同じだ。あの時、ルークは純粋に父の善を信じて、皇帝のもとに立ち向かうことができた。

 しかし、『ジェダイの帰還』ののち、彼は皇帝と直面した経験を、彼自身は失敗そして敗北であり、逆にヴェイダーという偉大な父の存在を実感させられたとしたら、どうだろう?

 確かに、自分の力が父を転向させることができた、と思うと同時に、自分の力では皇帝には敵わなかった、そして自分は父アナキンには及ばない、と彼が悩んでいたとしたら・・・

 レイはルークが「ヴェイダーを救った男」だと、彼を伝説として素直に尊敬し崇拝している。だが、そのレイの思いを聞いたルークは、複雑な心情にいたのではないかと思う。

ヴェイダーを救ったのは誰か?

   ルークは優しい善良な男だ。明るく純粋無垢な青色の瞳を持った青年であった。そして、最後まであの誰もが恐れるダース・ヴェイダーに自分の腕を切られながらも、彼の善の心を信じ切っていたのである。

 それは、失敗を恐れない、父を信じている若者のまっすぐな心だ。だからこそ、彼のみがヴェイダーを転向させることができた。オビワンやヨーダでは無理であったのだ。

 息子が悪に落ちた父親を救済した物語が『ジェダイの帰還』であった。そして、悪に落ちた息子を救いに行く物語が『フォースの覚醒』だった。

 父と子の物語という同じテーマを持ちながら、違う作品になっている『フォースの覚醒』は新しいスター・ウォーズの形だったのだ。

 これは、劇中のレイアがハンにいう言葉でも印象付けられる。

 「ルークはジェダイ、あなたは父親なのよ」

 つまり、ある意味ではこう言えるのだ。オビワンやヨーダのような偉大なジェダイでなく、ただ一人ルークのみが、父を救済できたのは、彼がジェダイだったからではなく、彼がヴェイダーの息子だったからだと。

 そして、ルークがまさしくそのように考えていたらどうだろう。そして、そんなルークの前に、スノークに心を変えられたベン・ソロが現れたら。

   彼は自分の甥であり、弟子である。だが、ベンと彼とは父子ではないのだ。

 

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新たなる試練

ベンを失ったルーク

 もしこのように、ルークが自分は皇帝にもかなわなかったジェダイ騎士だ、と考えていたら、スノークの存在を少なからず恐れるのは無理もない。

   私は、ジェダイの帰還』の前後で、ルークは変わらざるを得なかったものが少なからずあったのではなかったのかと思うのだ。

    私たちは『ジェダイの帰還』以前のルークを見ているに過ぎない。その延長でそれ以後のルークを見てみることは出来ないのではないか。皇帝と対峙してからのルークは、何かしら変わらざるを得なかったのだと思う。

    当然、彼はジェダイとしての鍛錬を積み、より成長したジェダイの騎士の師となった。その中で、暗黒面への恐れなども少なからず克服したに違いないだろう。ルークは臆病者ではないし、逃げるような男ではない。彼はスノークの台頭に向き合おうとしたはずだ。

    だが、そんな彼はベン・ソロを失ってしまう。

 レイアとハンがベン・ソロを彼に預けたとき、彼はその期待に応えようとしただろう。だが、悪に転向したカイロ・レンに対して、どれだけの自信を持てたのだろうか。

 私は、『最後のジェダイ』で描かれたように、いくら闇に落ちたといってもベン・ソロを暗殺しようとしたルークの性格設定には納得していないが、ルークのような善良な男が、そのような一瞬の過ちを犯し、かつスノークによるベン・ソロの破滅を止められなかったという事実に対して、どのように感じたか

 彼がもともと持っていた一種の負い目は、より複雑なコンプレックスとして残ってしまったのではないだろうか。

変化したジェダイ

    ルークはレイにこう言った。ジェダイは最盛期にダース・シディアスの台頭を止められなかった。ダース・ヴェイダーを生んだのは一人のジェダイ・マスターだと。

    こう言ったルークの心理には、単に最盛期のジェダイへの批判ではない何かが含まれている。何故なら、これには少なからず、ベン・ソロを生み出したのが一人のジェダイ・マスター、すなわち自分であるとの意識が見え隠れするからだ。

    私は、これまでもブログで書いてきたのだが、ルークは、オビワンやヨーダの言われるがままにやってきた男ではない。むしろ、自主的だが反抗的でもある。オビワンやヨーダがヴェイダーを倒せ!としか言わなかったのに対して、彼の中にある善の心を信じたのもルークだ。

    だが、確かにヴェイダーを改心させたルークは、同じようにベン・ソロを改心させようとしたに違いない。映画では、いきなりルークはベンを暗殺しようとするが、私はそれに至る二人のやりとりは少なからずあっただろうと思うのだ。

    しかし、自分の一瞬の過ちで、ベン・ソロはカイロ・レンとなった。

    この時、ルークは激しい後悔と自責の念を感じたと同時に、自身が信じてきた「絶対悪はない。暗黒面に落ちても善の心はどこかにある」という考えに裏切られた、間違っていた・・とも感じたのではないか。

    つまり、オビワンやヨーダはある意味で正しいことを言っていたと。自分はヴェイダーを改心させることは出来た、だがそれは自分が彼の息子であり、父は自ら転向しただけだ。

そして、フォースとの決別

    だが、そんな心理も裏返って変化したかもしれない。

 つまり、そんな善き人であった父、自分が愛していた父アナキンをヴェイダーとしたのは、オビワンやジェダイである、と。そして、彼がその事実を挫折の中で歪んだ形でしか受け入れられなくなったとしたら、彼の自責の念は、他責にかわり、ジェダイへの批判とすり変わったかもしれない。

   それはまた自己嫌悪にもつながっただろう。なぜなら、ルークがカイロ・レンを生んだことは、自身が、そのような愛すべき善良な人であったアナキン・スカイウォーカーダース・ヴェイダーとしてしまったジェダイ・マスター、そして自分の師でもあるオビワンと同じ存在となってしまったということだからだ。

   彼はオビワンを憎んだかもしれない。ジェダイを憎んだかもしれない。その時、彼は彼自身が、ジェダイを悪として暗黒面に落ちていった父親アナキンと同じ運命を歩んでいることに気づいてしまったのではないか。

    そう感じたルークは、自身に流れるスカイウォーカーの血にすらある種の恐れを抱いたかもしれない。ヴェイダー、ベンというフォースの強いスカイウォーカーの血統に生まれた自分自身が暗黒面へ転落しないと何故言えるのか?と。

    ルークは自身の力の強大さも認識していたはずだ。その時、彼はどうしただろうか?

    ルークは、父アナキンの転向の事実も知っているし、父がどのようにヴェイダーとなったかも知っただろう。そんなルークだから彼は自らフォースと決別したのではないか。

    自身の事を客観視できたルークだからこそ、ヴェイダーのように暗黒面には落ちなかった。しかし、自分がジェダイとして歩むのは間違いだと彼が考えた時、彼は自らはフォースと決別すべきだと考えたのかもしれない。

    これは、ルークがベン・ソロやヴェイダーと血縁関係があるがこそ、悩んだ結果だと思うのだ。

   ベン・ソロを育てたのが、オビワンやヨーダのように血縁関係のないただのジェダイ・マスターであったら、その責任者たるマスターはフォースとの決別、ジェダイの終焉まで考えることはなかったと思う。

    だから、ルークはオビワンのようなジェダイの賢者にはならなかった。彼が選んだのは、フォースとの決別であり、ジェダイの終焉の道だったのだろう。

 そして、これは彼がただのジェダイではなく、ジェダイである前に、ダース・ヴェイダーの息子であり、カイロ・レンの甥であり、ダース・ヴェイダーと同じ師を持ちながら、カイロ・レンに対してその師が犯した過ちと同じ過ちを繰り返してしまい、銀河皇帝には負けを喫したという彼の複雑な過去の中で、彼が自分自身を失わないために彼が選んだ道だったのではないか。

まとめ

    ルークが『ジェダイの帰還』以後、どのような道を歩んできたかはわからない。だが、少なからず彼の皇帝そしてヴェイダーとの対決の結果は、ルークに何かしら影響を与えただろう。

   だから『ジェダイの帰還』以前のルークが、そのままジェダイ・マスターとなったと考えるほど単純でないだろうと思うのだ。

    私は、ルーク・スカイウォーカーを見て『スター・ウォーズ』を好きになり、ルークを見て育った世代だ。だから、ルークは常に憧れでもある。だから、『最後のジェダイ』に描かれたルークのあのような姿は、正直言えばやはり残念だし、見たくはない気持ちは強い。

 しかし、多くのファンと同様に、そんなルークを愛する気持ちもまた私には強いし、だからこそルークを理解したいと思うのである。